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中国経済、今年は「物価」に注目

急上昇するようだと社会不安招く危険性も

  • 谷口 徹也

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2007年3月22日(木)

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 北京五輪を1年後に控えた今年、中国がらみで注目される経済指標がいくつかある。昨年まで4年連続2ケタとなった経済成長率や貿易黒字、外貨準備高、人民元相場、固定資産投資などだ。これらは中国事業に携わっている人や中国ウオッチャーならば誰もが気にしているデータだろう。

 それらと比べると話題に上る機会は少ないが、個人的に注視している数字がある。物価の上昇率である。

10%成長なのに物価上昇率は1%台

 2006年、インドやベトナムに行く機会があり、各国のマクロ指標を調べる機会があった。改めて感じたことは、高い経済成長をしている国はおしなべて物価上昇率も高いことだ。2002~05年の実績で見ると、インドは実質経済成長率が3.8~8.5%に対して消費者物価上昇率が3.4~6.5%。ベトナムはそれぞれ7.1~8.3%に対し、3.1~8.3%という具合だ。
 日本の高度成長期にも照らして「そんなこと当たり前」と鼻で笑わないでほしい。この“法則”が現在進行形で当てはまっていないのが中国なのである。中国は2002~05年で、経済成長率が9.1~10.1%だったのに対して、物価上昇率は-0.8~3.9%。2006年の速報値では、成長率が10.7%に対して消費者物価上昇率は1.5%と「インフレなき高度成長」の傾向は変わっていない。

 中国経済に関するリポートなどでは、大きく2つの理由が挙げられている。1つは物価指数を弾き出す構成要素の中で食料品の比率が高く、全国的な干ばつによる不作にでも見舞われない限り、大きく上がることがないということ。そしてもう1つが、今後の経済成長を見越した旺盛な製造業の投資活動によって生産能力過剰の状態が続いているため、工業製品の価格は常にデフレ圧力にさらされているということだ。

政府統計に問題があり、実は10~20%上昇している?

 ところが、実際に中国で生活している人たちに聞くと、足元の消費者物価上昇率は1%台と発表されているにもかかわらず、急激なインフレを実感している人が多い。

 ある日系企業の駐在員。カルフールやジャスコといった外資系でなく、地場系のスーパーでいつも買い物をしているこの人は「食料品を中心に、2年間で3割は上がった」と断言する。また、別の日系企業の社長は「現地社員の生活環境でも、物価は毎年1~2割上がっていると言う。毎年の昇給率が10%を超えないと『生活水準が下がる』と訴えてくる」と話す。

 中国の物価指数の算出方法には問題があるらしい。ある日系経済研究所のアナリストによると、政府発表が1.5%前後の時、都市部に住む人の支出要素に合わせて物価上昇率を弾き出したところ約6%になった。正確な基準は分からないが、政府発表の数字は低い数字を出すよう“工夫”されているようだ。

 さて、原因はいずれにせよ物価の行方を気にしているのは、これが中国の“風景”を大きく変える要素になりそうだからだ。

国内のマネーサプライ上昇がインフレ圧力に

 貧富の格差拡大や環境破壊、エネルギーの浪費など様々な問題点が指摘されながらも、この数年来、中国の社会、政治問題が経済成長の妨げにならずに収まってきたのは、右肩上がりの経済成長による「喜び」が急成長のひずみによる「傷み」を上回っていたからだろう。

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