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オレンジジュース値上げの背後にバイオエタノールあり

  • 門倉 貴史

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2007年5月7日(月)

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 2007年5月から、日本の大手乳業各社が果汁飲料の値上げを実施するようになりました。近所のスーパーやコンビニエンスストアで、パック入りのジュースを購入した際、値段が上がっていることに気づいた読者も多いのではないでしょうか。

 例えば、明治乳業は、5月1日から果汁100%のジュース(1リットル入り)4種類を20円値上げしました。森永乳業も、果汁100%のジュース4種類について、500ミリリットル入りで10円、1リットル入りで20円の値上げをしました。

 日本ミルクコミュニティや小岩井乳業なども5月下旬から値上げをします。各社の果汁飲料の値上げ率は10%前後になります。

果汁価格の高騰にBRICsあり

 今回、果汁飲料の値上げが実施された背景には、原料となるオレンジ果汁やグレープフルーツ果汁、リンゴ果汁の仕入れ価格が高騰していることがあります。各社とも、コストを自社で負担することが難しくなったため、やむを得ずコスト上昇分の一部を製品価格に転嫁したというわけです。

 では、なぜ果汁の仕入れ価格が高騰しているのでしょうか?

 実は、果汁の仕入れ価格の上昇には、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の経済が強く影響しています。

オレンジからサトウキビへ

 まず、供給側の要因についてみると、オレンジ果汁などの主要産地となっているブラジルにおいてオレンジ栽培農家の転作が進み、生産量が減少していることがあります。

 近年、ブラジルでは、これまでオレンジやグレープフルーツなどを栽培していた農家が、相次いでサトウキビの栽培に切り替えるようになっています。

 これは、サトウキビがバイオ・エタノールの原料として注目されているためです。原油をはじめとする化石燃料の国際価格が上昇するなかで、世界的にバイオ燃料への需要が高まっています。また、世界的に環境保全が叫ばれるなか、バイオ燃料は化石燃料に比べて、二酸化炭素が排出されず環境に対する負荷が小さいので、化石燃料からバイオ燃料へのシフトが進んでいるという側面もあります。

米国がエタノール大国ブラジルへ接近

 米国では、ガソリンの代替燃料としてエタノールを普及させようとしていますが、原料となるトウモロコシの価格が高騰しており、生産拡大に限界があります。このため米国はエタノール大国のブラジルに接近して、エタノールを確保しようとしています。

 ブラジル国内でも、エタノールを燃料に使うフレックス車の販売が大きく伸びています。このような国内外の潮流に対応する形で、オレンジなどからサトウキビに転作する農家が増えているというわけです。同様の動きは、ブラジルだけではなく、アルゼンチンなど他の南米の農業国でも広がってきています。

図表1 ブラジルの耕地面積

図表1 ブラジルの耕地面積
(出所)FAO資料より作成

 実際に、ブラジルの農家の耕地面積の推移をみてみましょう。オレンジの耕地面積は年々減少傾向となっており、直近の2005年は80万4000ヘクタールと、前年に比べて2.4%減少しました(図表1)。耕地面積の減少によって、オレンジの生産量も低迷しています。ブラジルの2005年のオレンジ生産量は前年比2.5%の減少となりました。

 一方、オレンジとは対照的にサトウキビの耕地面積は急激に増加しています。2005年は、579万4000ヘクタールと、前年に比べて2.9%も拡大しました。耕地面積の増加によって、サトウキビの生産量も増加しており、2005年は前年比1.9%増を記録しました。

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