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偽札は身近な存在

偽札の90%の供給源は広東省

2007年5月18日(金)

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偽札で給料を支払い、抗議した社員を解雇

 広東省の省都、広州市の新聞「広州日報」は2007年5月10日付で「工場が給料を偽札で支払い、従業員が抗議したら解雇」という表題の記事を掲載した。

 佛山市順徳区均安鎮にあるデニム洗濯・染色工場は先頃、従業員100人に4月分の給与を支給したが、この中の20人が受領した給与には偽札が大量に含まれていた。これら20人はすべて湖北省からやって来た新規に採用された工員であり、初めて支給された給与に胸弾ませながら給与袋から真新しい紙幣を取り出して数え始めた。

現在流通している100元札

現在流通している100元札

 だが、紙幣を数えていた胡という姓の工員は100元札の手触りがなんとなくおかしいことに気づいた。すべてではないが、質感が異なる100元札が交ざっている。そこで、胡は近所の小さなスーパーマーケットへ出向き、中国ではほとんどの店舗に置いてある偽札鑑別機にかけてもらったところ、彼の給与には偽100元札が何枚も含まれていることが判明した。

20人全員の給与に偽100元札

 胡は大慌てで工場へ取って返し、給与に偽100元札が交ざっていたことを同郷の仲間に告げたところ、20人全員の給与に偽100元札が大量に含まれていたことが判明した。ある工員は支給された給与1500元の100元札15枚がすべて偽札であった。

 一生懸命に働いた血と汗の結晶の給与、しかも初めて支給された給与が偽札とはどういうことか。怒り心頭に発した工員たちは工場の経営者に抗議し、支給された偽100元札を本物に取り替えるよう要求した。

「銀行の責任だ 早く仕事に戻れ」

 ところが、経営者は「給与に偽100元札が交ざったのは銀行の責任だ、銀行と協議して真札と交換してもらえ。文句を言わずに速やかに職場に戻れ」と応じて工員たちを失望させた。工員たちは「合理的な回答なしで職場に戻れるか」と色をなしたが、経営者はこれを「消極的なサボタージュ」と見なし、工員全員を解雇すると発言、工場に採用された際に預託している保証金を受け取ったら速やかに工場を出るよう命じた。

 工員たちは工場側が本来の給与を支払うなら工場から出て行くが、それまでは断固として要求を貫徹すると主張。これに対して、工場側は速やかに所持品をまとめて出て行かなければ打ちのめすと脅しをかけたので、一部の工員はこみ上げる怒りを抑えながら工場を後にした。

 こうした状況を見ていた付近の工場の人の助言を受けて、工員たちは警察へ通報した。通報を受けて警察官は工員たち手持ちの偽100元札を確認するとともに事情聴取を行い、さらに工場側の財務部門を取り調べた。その後、警察官は証拠としてすべての偽100元札の写真を取り、工員たちに対して事件として立件する旨を伝えた。

 その後の調査によると、この工場が偽札を給与に交ぜて支給したのは今回が初めてではなく、今までにも同様の手口で工員を解雇しているとのことである。事件が今後どのような進展を見せるか期待したいが、少なくとも工員たちが本物の100元札で給与を受け取ることができることを祈りたい。

さほど精巧とは言えない偽札が流通

 偽札というと北朝鮮が製造しているのではないかと言われている「スーパーノート」という精巧な偽100米ドル札が頭に浮かぶが、中国ではさほど精巧とは言えない偽札が100元(約1500円)、50元(約750円)、20元(約300円)、果ては10元(約150円)までが大量に流通していると言われている。

 偽10元札となると小額すぎて偽札を作って採算が取れるのかと疑問に思うが、少量とはいえども流通しているのだから手間暇かけても採算が合うのかもしれない。一方、上記の工場が過去にも同様の偽札事件を起こしていたとすれば、偽札の密売ルートがあって、そこから買いつけていることになるのではないか。

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「偽札は身近な存在」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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