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割安感払拭できない人民元
過剰流動性で過熱する中国株式市場

  • 門倉 貴史

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2007年5月21日(月)

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 最近、中国の株式市場が過熱してきています。たとえば、上海証券取引所の上海総合株価指数の推移をみると、2006年頃から上昇傾向が鮮明になっていることがわかります(図表1)。2006年の年初から現在(2007年5月18日)までの期間に、株価の水準は3.5倍にもなりました。

PERは35倍超 割高感ある中国株

図表1 上海総合株価指数の推移

図表1 上海総合株価指数の推移

(出所)上海証券取引所資料より作成。2007年5月は5月11日の値。

 中国のマクロ経済が好調に推移しているので、それを反映して株価が上昇するのは自然な流れですが、最近の株価の上がり方はあまりにも急激すぎます。企業の収益見合いで株価が割安であるかどうかを判断する株価収益率(PER)の指標でみても、すでに35倍を超えており、割高感が出ています。2007年5月6日には、中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が、中国の株価についてバブルの懸念があると述べています。

 なぜ、中国の株式市場が過熱しているのでしょうか。背景には、中国国内で過剰流動性(市場にお金が溢れること)が発生していることがあります。
 そして、中国で過剰流動性が発生している根本的な原因として、通貨・人民元の変動幅が小さく抑えられているということが挙げられるのです。

中国人民銀行は2005年7月21日に為替制度改革を実行しました。改革の内容は、これまで事実上米ドルに固定していた通貨・人民元を対ドルで約2%切り上げると同時に、ユーロや円、ポンドなどを含めた複数の通貨に人民元を連動させる「通貨バスケット制」に移行するというものです。

世界が人民元の切り上げを求めている

 この背景には、中国の貿易黒字が拡大するなかで、人民元切り上げを求める国際的な要請が強まっていたことなどがあります。

 為替制度改革後の人民元の対ドル為替レートの推移をみると、徐々に人民元が上昇している様子が分かります。2005年7月時点では1ドル=8.226元でしたが、直近の2007年4月時点では1ドル=7.725元となりました。

 ただ、人民元の上昇のスピードは非常に緩やかなものにとどまっています。改革を開始した05年7月から07年4月までの月平均での上昇幅はわずか0.3%程度です。

 人民元の割安感が依然払拭されないために、中国の貿易黒字は為替制度改革以降も拡大基調が続いています。通関ベースの輸出金額は前年比3割近くの高い伸びが続いており、2006年の貿易黒字額は1775億ドル(前年比75%増)と、過去最高の水準に達しました。

 こうした状況下、米国をはじめとする先進諸国は、中国に対して人民元の一段の切り上げを求めています。

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