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中国の“病気豚” 
政府発表「2万頭」業界情報「2000万頭」

庶民大好き豚肉の価格が急騰している理由

2007年6月29日(金)

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 中国語の「猪」は『豚』を意味する。中国語の「豚」も『豚』を意味するが、現在の中国では「豚」という文字をほとんど使わない。日本語の『猪』は野生の豚という意味で中国語では「野猪」となる。中国には60年に1回のサイクルで到来する農暦の「金猪年」(=金豚の年)があり、伝承によれば「金猪年」は幸運な年で元気な子供を授かることができるという。その「金猪年」が回ってくるのが2007年だということで、「金猪年」に出産すべく前年の2006年には結婚ブームが起こったし、2007年の春節前後には縁起担ぎの「金猪」の置物などが大流行した。

1年で豚肉の価格が2倍に 庶民の家計に打撃

 その「金猪年」に、中国では豚肉(中国語「猪肉」)の価格が急上昇して問題となっている。豚肉の小売価格は、2006年5月には1キロ当たり10元(約150円)程度であったが、1年後の2007年5月には20元(約300円)を超える勢いで、過去10年間の最高価格を記録した。

 中国人の食生活における豚肉の地位は極めて高い。肉類に占める豚肉の比率は(豚肉を食べない回教徒地区を除けば)平均して60%以上を占めている。このため、豚肉値上がりが家計に与える衝撃は大きく、豚肉が食卓に上る回数が大幅に減り庶民の不満は高まっている。

特売の豚を求めてスーパーに1000人の行列

 5月26日、広州市珠海区に所在する大規模スーパーマーケットの入り口には、朝8時の開店を待つ客約1000人以上が長蛇の列を作っていた。彼らのお目当ては1キロ当たり15.8元(約237円)という超安値で特売される総量1トンの豚肉であった。開店待ちする客の多さに驚いた店側は、急きょ予定していた1人当たりの販売量750グラムを500グラムに変更し、肉の切り分け作業に忙殺された。客たちは8時の開店と同時に我先にと生鮮食品売場へ殺到し、500グラムの豚肉をつかむと安堵の表情を浮かべつつレジへ向かった。豚肉の争奪戦は約40分間続いて豚肉は完売した。この日、広州市内の各スーパーでは同時進行で豚肉の特売が行われたが、客たちは「豚肉が安く買えるならどこへでも行く」と息巻いていたという。

世界の豚の50%を消費する中国

 2006年における中国の豚肉総生産量は5197万トンで、世界の50.1%を占めた。中国の肉類全体の総生産量は8051万トンであるので、全体に占める豚肉の比率は約65%を占めている。国連食糧農業機関(FAO)の統計によれば、中国の1人当り豚肉消費量は1日平均約113グラムでドイツに次いで世界第2位であるが、人口13億の中国が世界最大の豚肉生産国であり、消費国であることに変わりはない。現在、中国では約5億頭の食用豚が飼育されているが、これは過去30年間にわたる中国政府の養豚重視政策の成果であり、外国種の導入を含めた優良種の育成、配合飼料の改良などによってもたらされたのが世界一の栄冠である。

 では、その豚肉生産量世界一の国でどうして豚肉の値段が急騰しているのか。

コメント3件コメント/レビュー

欧米ではあれほど神経質になった狂牛病ですが、なぜ「猪藍耳病」はあまり報道されないのでしょう。日本からのパックツアーではこれらの肉を盛大に食べさせられている筈ですが。(2007/08/28)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「中国の“病気豚” 
政府発表「2万頭」業界情報「2000万頭」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

欧米ではあれほど神経質になった狂牛病ですが、なぜ「猪藍耳病」はあまり報道されないのでしょう。日本からのパックツアーではこれらの肉を盛大に食べさせられている筈ですが。(2007/08/28)

中国では60年に一度らしいですが、韓国では600年に一度「金豚年」があるそうです。2007年は韓国側の600年に当たるのでしょうか?(2007/07/02)

わが国のニュースを見ると、いつも心が痛む。労働効率が低くても一所懸命豚を育てる農民達、また運ばれる途中で死んでしまう豚もかわいそうです。中国の政府、もしくは地方の官庁が、農民から買い取った豚を現地で加工してから、直接にスーパーに販売する仕組みを作れないでしょうか。もちろん個人・法人・海外の企業でもよいです。ちなみに私は71年の「金猪年」に生まれてきた人です。この記事を見て、初めて知りました。(2007/06/29)

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