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自爆テロ犯の正体が見えてきた

犯人の90%が障害者 社会保障の充実がテロを防ぐ

2007年7月5日(木)

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 首都カブールで急増する自爆テロ

 6月17日、アフガニスタンの首都カブールで警察学校のバスが爆発し、警官22人と市民ら計35人が死亡する事件が発生した。負傷者も35人に上り、現地で子供の教育支援などに取り組むNGO(非政府組織)の活動に参加していた日本人の男女2人も怪我をした。カブールで起きた爆弾テロでは、2001年のタリバン政権崩壊後、最悪の事件である。

 アフガニスタンでは、タリバンによる治安当局者を狙ったテロが相次いでおり、今年に入ってのアフガン人治安当局者の死者は300人以上に上っている。同国のカルザイ大統領は6月19日、「アフガン治安機関が成長して反タリバン攻撃が効果を上げているため、タリバン側は不満を募らせて都市部でのテロ攻撃へと戦術を変えてきている」と述べ、カブールでの自爆テロなどの急増の原因を、「治安対策がうまくいっていることに対する反動」であると説明した。また米中央軍のウィリアム・ファロン提督も、「私もタリバンはフラストレーションからこうしたテロ攻撃に手を染めていると感じている」と述べてカルザイ大統領の見方を支持した。

タリバンを抑え込んだ「成功例」

 確かに、NATO(北大西洋条約機構)軍とアフガン軍によるタリバンに対する攻勢作戦は部分的には成功を収めているように見える。タリバンを中心とした反政府勢力によるアフガン全土における攻撃数は、この5月に前月比で15%減少し、タリバンが進めていた「春の大攻勢作戦」に一定の歯止めをかけることに成功したように見える。

 NATO・アフガン混成軍が「成功例」として挙げる中に、タリバンのアフガン南部における軍事司令官ムラ・ダドゥラ(Mullah Dadullah)の殺害というのがある。混成軍がダドゥラ殺害に成功したのは5月13日のことだが、この作戦が開始されたのは3月18日だという。この日、アフガン政府はタリバンに誘拐されていたイタリア人ジャーナリストと引き換えに拘束していたタリバンの指揮官5人を釈放。その1人がダドゥラの弟のムラ・シャー・マンスール(Mullah Shah Mansoor)だった。NATO・アフガン軍はマンスールの動きを監視して彼がパキスタンのケッタ(Quetta)から車列を組んでアフガン領内に戻ったところを、特殊部隊と航空勢力で急襲したのである。そしてこの攻撃で殺害された中にダドゥラがいたというわけである。

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「自爆テロ犯の正体が見えてきた」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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