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生活改善薬ブームの死角

医薬大手、リスクに悩みつつ開発に邁進

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2007年7月10日(火)

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 新しいダイエット薬「アライ」は、一部に胃を痛めたりする人がいるものの、生活の質の向上を目的とした生活改善薬の次なるヒット商品になりそうだ。

 アライは米食品医薬品局(FDA)が初めて認可した処方箋不要のダイエット薬。結婚式などのイベントを控えて体重を落としたい人や、ファッションモデルのようにガリガリに痩せたいと願う女性に受けること必至だ。

 これがスティーブン・バートン氏の頭を悩ます問題である。アライを販売する英製薬大手グラクソスミスクライン(GSK)のコンシューマーヘルスケア部門で肥満治療薬担当の責任者を務める同氏は、体重に関して医学的問題を抱えていない人々がアライに殺到する状況に身がすくむ思いでいる。

 そして、噂が噂を呼んでこの薬が即効薬であるかのような間違った印象を与えてしまうことに神経を尖らせている。「これは3週間で30ポンド(約13kg)痩せるような薬ではないことを理解してほしい」と同氏は語る。

 製薬会社は昨今問題の多い「生活改善薬」という言葉から極力距離を置こうとしつつ、この種の医薬品開発にかつてない労力を注いでいる。生活改善薬市場で新たに盛り上がりを見せるのが、市場の大部分を占めるダイエット薬と発毛薬、睡眠薬、性的不全治療薬の4分野である。

 これは驚くべきトレンドだ。生活改善薬は患者を危険にさらし、下手をすると製薬会社は批判の矢面に立たされるからだ。生活改善薬は生命にかかわらない疾患の治療に使われる医薬品として曖昧に定義されている。長期にわたり日常的に服用する場合も多いため、思った以上に危険な恐れがある。

痩せ薬の抗し難い魅力

 6月13日、FDAの専門委員会は全会一致で、仏系製薬サノフィ・アベンティスの肥満治療薬「アコンプリア」を承認すべきでないと判断した。この薬は既に37カ国で認可されているが、FDAは鬱病や自殺願望を招く可能性があるという報告書を重要視した。

 GSKはアライについてこのような障害は逃れられたものの、ある程度の副作用が生じることは否めない。この薬は摂取した脂肪分の約4分の1の吸収を抑えるため、薬を服用している人が脂肪を過剰に摂取すると下痢などの不快な副作用が起こる可能性がある。

 GSKのバートン氏によれば、この薬にとって朗報は、服用中は事実上低脂肪ダイエットを実行せざるを得ないため気軽に服用する気にならない点だ。バートン氏は販売予測を明言しないが、FDAの規制を受けないハーブ由来の減量薬などのダイエット製品の売上高は年間約10億ドルに達している。ダイエット食品やダイエットプログラムなどを加えると、400億ドル市場になる。

 当局が安全面で警告を出しても、生活改善薬はやめられないものだ。例えば何百万人もの米国人が不眠症でもないのに日常的に睡眠薬を服用しており、こうした精神的支えを止めるのは難しい。

 昨年、サノフィの睡眠障害治療薬「アンビエン」を服用した人が、眠りながら食事を取ったり運転したりした異様な例が数件報告された。FDAはサノフィを含めたメーカーに対し、ラベルに強く警告を表示するよう要求。3月にはこれに加え、医師に文書を送って警告の周知徹底を図るとともに、患者向けに副作用の説明と安全な用法を書いた説明書を用意するよう命じた。

 ところが米国人はこうした事情をものともせず、今年1~3月期のアンビエンの売り上げは前年同期比54%増の7億ドル超となった。アンビエンと米セプラコアの「ルネスタ」など同種の薬の処方箋を合計すると、昨年は15%増の4780万通、総売上高は29%増の36億ドルだった(IMSヘルス調べ)。

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