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シティのM&Aが強くなった理由

その巨大さがグローバル時代にベストマッチ

2007年7月31日(火)

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Steve Rosenbush(BusinessWeek.comシニアライター)
米国時間2007年7月2日更新 「How Citi Fixed Its M&A Business

 米国の巨大グローバル金融企業であるシティグループ(C)は、その株価が長く低迷しているために投資家を苛立たせている。単に規模が大きいだけで、事業展開は部門ごとにバラバラ。だから収益性が上がらない。シティを責め立てる株主の利益を考えれば、「大きいことは良いこと」ではなかった。

 しかし、である。シティグループが複合企業体だからこそ素晴らしい成功を上げた分野もある。M&A(企業の合併・買収)事業だ。

 空前のM&Aブームに乗って“世界最大の銀行”は、激しい競争が繰り広げられる分野に躍り出た。かつて大手投資銀行としては中堅だったが、今では米ゴールドマン・サックス・グループ(GS)や米モルガン・スタンレー(MS)といったトップ企業とシェアを競い合っている。米調査会社ディーロジックによると、シティのM&A部門の世界シェアは2004年の18.9%から今年6月中旬には27.1%に上昇し、ライバルとの差は1ポイントを切った。過去3年間の成長率は年12.8%に上り、大手投資銀行の中で最高だ。

社内の問題点を徹底検証

 シティが様々な事業を手がけていることは、M&A事業にとって都合がよかった。グローバル化の流れが追い風になったからだ。シティのM&A事業の最高責任者であるフランク・イヤリー氏は、「我々がこれだけ大きなシェアを獲得できた理由は1つは、国境を越えた取引に対応できる経営資源と事業基盤を持っていることだ」と言う。また、大規模なM&A取引とプライベートエクイティによる買収という2つの重要な成長市場に焦点を絞ったことも成功を導いた。時価総額が2540億ドルにも達するシティだからこそなせる業というわけだ。

 今年43歳のイヤリー氏は、投資銀行業務に携わって20年以上になる。米リーマン・ブラザーズ(LEH)から始まるその経歴の大部分はシティでのものだが、米カーライル・グループで3年間シニア・マネジング・ディレクターを務めたこともある。その間に培った人脈が、シティで企業買収アドバイザーという事業を作り上げるのに役立った。

 シティのM&A事業が上向いたのは2004年から。社内の問題点を徹底的に洗い出した結果だとイヤリー氏は振り返る。当時のM&A事業は、まだ1990年代の遺物を振り払うのに精いっぱいだった。米ワールドコムなどの技術や通信の分野で隆盛を誇った顧客の多くは破綻した。通信を専門にするバンカーでありアナリストでもあったジャック・グラブマン氏はスキャンダルにまみれた。2000年にIT(情報技術)バブルが崩壊すると、M&A事業も粉々になった。シティをはじめとする銀行は突如としてコスト削減と戦略転換を迫られたのである。

 「2002年から2003年上期にかけて市況が底を打って上向いてきた。我々はシティの事業、自分たちの強みを徹底的に見直した」。そう話すイヤリー氏が率いる150人のM&Aバンカー部隊は、M&A部隊とデットエクイティによる資金調達部隊を擁する投資銀行部門の傘下にある。

トップ企業に挑戦状

 当時の景況感にもかかわらず、イヤリー氏などの幹部は成長機会があると確信していた。調査をかけると、プライベートエクイティによる巨大合併と国境を越えた取引が拡大期を迎えようとしているという報告が上がってきた。シティが持つグローバルな事業基盤はそうした潮流に乗るうえで非常に有利だった。

 取引規模が急拡大するにつれて、顧客は世界中の様々な市場にアクセスしなければならなくなる。300億~400億ドル規模の巨額取引に伴う債務を丸ごと引き受けられるような市場は世界のどこを探してもないからだ。米国市場にも単独ではその力はない。しかも、国際的な取引を行う多国籍企業は、各国の通貨・税制・規制などに関する専門知識を必要としていた。

 「世界で最大級かつ最重要な企業による最大級かつ最重要な取引に対する助言者となるチャンスがそこにある」というのがイヤリー氏らの結論だった。5年前のシティとは全く違うハイレベルな領域への挑戦だった。

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