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アップルと組むのは危険

圧倒的な市場支配力が作り出す奇妙な提携関係

2007年8月2日(木)

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Peter Burrows (BusinessWeekシニアライター、シリコンバレー)

米国時間2007年7月3日更新 「Apple's Partner Paradox

 米アップルは、魅力的で画期的なデジタル家電製品を作り続ける会社だということをこれまでに何度も見せつけてきた。新型携帯電話機「iPhone(アイフォン)」の熱狂的な人気を見ても、話題を盛り上げ、消費者に「欲しい!」と思わせてしまう能力では、どんな企業の広告キャンペーンもアップルの足元にも及ばない。

 では、パソコンメーカーから家電大手へと進化を続けるアップルの勢いを削ぐような要因があるとすれば、それは何か。多くの専門家や業界関係者の話を総合すると「他社との提携戦略」に尽きる。

 最も分かりやすい例は、アップルが巨大な携帯電話市場を征服しようとしていることである。アップルは携帯電話サービスを提供するために米AT&T(T)の協力を仰いだ。ところが、華々しいアイフォン発売にミソをつけたのは、AT&Tのデータ通信ネットワークが遅く、回線を開通するまでに時間がかかるということが発売直後に報道されたことである。

提携とは名ばかり、短期的に利用するだけ

 念のために言っておくが、アップル(AAPL)にとって提携相手を探すことには何の問題もない。周辺機器メーカーから企業向けソフト開発会社、航空会社に至るまで、誰もがアップルとの取引を求めてスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)の扉を叩いている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年6月28日「Welcome to Planet Apple」)。

 スティーブ・ジョブズ氏は世間で言われているように、ハイテク業界における流行の仕掛け人であり、タフな交渉人でもある。例えば、1997年に米ウォルト・ディズニー(DIS)との契約更改では、ジョブズ氏が立ち上げた米ピクサー・アニメーション・スタジオがもっと利益を上げられるようにもっていった。ちょうど、ピクサーが8作連続の大ヒットを飛ばす直前のことである。

 2005年には世界各国からフラッシュメモリーを大量に買い上げるという大胆な行動に出た。この決断のおかげで、アップルは「iPod(アイポッド)ナノ」や「iPodシャッフル」といった製品への需要を賄い、しかも高い利幅を維持できたのである。

 その年、アップルは米インテル(INTC)との間で様々な意味で重要な契約に署名した。それからの2年間で、両社はインテル製高性能マイクロプロセッサーをアップル製パソコン「マック」に移植するプロジェクトを完了させたのである。アップルにとっては新規顧客の獲得につながり、インテルにとっては急成長する革新的企業としての地位を確固たるものにできた。

 しかし、この提携はインテルに幸福をもたらすものなのか。残念ながら、アップルが長期的に双方にとってメリットがあるようなつき合い方をできるとは思えない。「アップルは常に自社のことしか考えない、しかも短期的な視点で」と指摘するのは、米エンドポイント・テクノロジーズ・アソシエーツの共同設立者であるロジャー・ケイ氏だ。「結局、そのツケは自分たちに回ってくる。パートナーシップというものを分かっていないのだから」。

痛い目に遭ったアドビ、モトローラ、ヒューレット・パッカード

 そのため、ハイテク業界やメディア関係者の多くがアップルと組むことにはリスクがあると考えているのだ。よく言われるのは、ジョブズ氏はきわめて競争心が強くて交渉術にも長けているため、相手を説き伏せてしまうということだ。だが、相手は後になって悔やむことになる。「彼にとって“ウィン-ウィン”なんてどうでもいいことなのだ」と、かつての協力者は言う。

 実例は枚挙に暇がない。技術者の多くが指摘するのは、1980年代にアップルが長年のパートナーであった米アドビ・システムズ(ADBE)を騙まし討ちにしたことだ。アドビのポストスクリプトというページ記述言語を採用しながら、その一方で独自のトゥルータイプフォントを開発して戦いを挑んだのである。

 2004年には米モトローラ(MOT)が、「iTunes(アイチューンズ)」を搭載した携帯電話「ROKR」を製造することで軽率にもアップルと契約を結んでしまった。結果は惨憺たるものだった。保存できる楽曲数をたった100曲までにすることにアップル側がこだわったことが失敗の一因である。

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