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「ヴィトン、グッチ、エルメス、何でもあるよ」 :本物のカタログから偽ブランド品を選ぶ

知的財産権保護と観光客誘致-北京はどちらを優先する?

2007年8月3日(金)

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 2007年7月中旬の中国出張で北京に立ち寄った際に、中国の偽ブランド品市場として名高く、今や北京の観光名所の一つともなっている「秀水街市場」を覗いてきた。かつての「秀水街市場」は道幅3メートル程の狭い路地に露店商が軒を連ねていたのだが、2005年1月に地下鉄工事を口実に取り壊しとなった。このため移転を余儀なくされた露店商の大部分は、これと時期を合わせて隣接地に建設された地上5階、地下3階建てで総面積2.8万平方メートルの「秀水街ビル」に入居することとなり、ビル全体が新たな「秀水街市場」となって05年3月に営業が開始された。筆者は取り壊される数カ月前の旧秀水街市場を訪れた記憶があるが、ビルとして新装なった「秀水街市場」は今回が初めてであった。

「ブランド品は何でもあるよ」

 筆者が訪れたのは夜8時過ぎであったにもかかわらず、秀水街市場は欧州、米国、日本、韓国といった外国人観光客と夕涼みの北京市民でごった返しており、幅1.5メートルほどの通路の両側に並ぶ店舗で客を呼び込む店員、捉まえた客に商品を示す店員、少しでも安値で買い付けようと店員と駆け引きする客の熱気が渦巻いていた。各店舗が扱う商品は、衣料品、時計、バッグ、靴、装身具、工芸品と多岐にわたるが、秀水街の目玉はなんと言っても偽ブランド品である。

 外人客と見れば、「何が欲しい。ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメス、何でもあるよ。このカタログから選んで」と本物のブランド品カタログを示す。客がカタログ上のルイ・ヴィトンの財布を指差すと、普段は閉めたままの引き出しを開けて、要求通りの財布を取り出し、「これ全部ルイ・ヴィトン、好きなのを選んで」。一呼吸置いて、「グッチがよければ、ここにあるよ」と次の引き出しを開ける。引き出しの中には財布、キーホルダー、手帳、名刺入れなどの小物類がずらりと並んでいる。サイズの大きな物は展示してあるスーツケースなどに隠されている。

 「秀水街市場」は北京の中心である天安門から東に3キロ程の建国門外大街と東大橋路の合流地点にあり、世界各国の大使館が林立する大使館地区の東側に位置する。秀水東路と秀水南路の合流点から建国門外大街に通じる細い路地に、1980年頃自然発生的に絹や綿の繊維製品を扱う露店が商売を始めたのが秀水街市場の始まりであった。

 その後、衣料品や小物雑貨を扱う露店が次々と店開きし、衣料品・雑貨市場として客を集めるようになった。1985年には管轄する朝陽区がこの「路地」を秀水街として正式な「街」(=「通り」)と認定したので、秀水街市場は正式な「通り」に在る市場としてお墨付きをもらった形となり、その後露天商も正式な店舗として認定されることとなった。

 筆者は1985年5月から1989年12月まで北京に駐在したが、秀水街市場の存在を知ったのは1986年の中頃だったように記憶する。当時の秀水街市場では外国の衣料品メーカーから委託生産を引き受けた工場から横流しされた有名ブランドの衣料品が多数販売されており、これを求めて北京在住の大使館員や企業駐在員の夫人たちが集まる場所だった。当時外国人は外貨を人民元と同等の「外貨兌換券」(FEC=Foreign Exchange Certificate)に換えないと買い物ができなかったが、秀水街では外貨を多少高めの交換率で外貨兌換券に換える闇両替商が多数いて、外国人と見れば寄ってきた。

コメント1件コメント/レビュー

上海の偽物市場と言えば昔は「華亭路」。確かエイペックの時に政府がPRの為に取り壊し、終わった途端に襄陽路市場を作って更に規模が拡大しましたね。今回も取り壊したとは言いますが偽物は今でも健在のようです。出張でガーデンホテルに泊まるたびに准海路の客引きには閉口します。現場レベルでは全く野放し状態なのでしょうね。公安のいい小遣い稼ぎなのでしょうか。地方からの出稼ぎ者も皆ナイキの帽子をかぶってアディダスのカバンを提げていますし。(2007/08/03)

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「「ヴィトン、グッチ、エルメス、何でもあるよ」 :本物のカタログから偽ブランド品を選ぶ」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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上海の偽物市場と言えば昔は「華亭路」。確かエイペックの時に政府がPRの為に取り壊し、終わった途端に襄陽路市場を作って更に規模が拡大しましたね。今回も取り壊したとは言いますが偽物は今でも健在のようです。出張でガーデンホテルに泊まるたびに准海路の客引きには閉口します。現場レベルでは全く野放し状態なのでしょうね。公安のいい小遣い稼ぎなのでしょうか。地方からの出稼ぎ者も皆ナイキの帽子をかぶってアディダスのカバンを提げていますし。(2007/08/03)

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