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痛みはサブプライムを超えて

サブプライム問題は終わりの始まりなのか?

2007年8月21日(火)

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Matthew Goldstein (BusinessWeek誌、ヘッジファンド・金融担当編集者)
David Henry (BusinessWeek誌、シニアライター)
Aaron Pressman (ボストン支局)

米国時間2007年8月2日更新 「The Pain Moves Beyond Subprime

 金融市場に蔓延する“流行病”は、年初以来、米国株式市場から2000億ドル以上を奪い去ってしまった。この病はいったいどこまで広がるのか──。投資家の不安はそこにある。

 7月31日、株式相場は1週間前に描き始めていた下降線を再びたどり始めた。大量の売りによる株価急落のきっかけとなったのは、またもや金融機関が発表した悪いニュースだ。発表したのは、米住宅金融大手のアメリカン・ホーム・モーゲージ・インベストメントである。ニューヨーク州メルビルを拠点とする同社は信用履歴が良好な顧客を中心に融資をしているが、深刻な資金不足に直面し、破産に追い込まれる恐れもあるという(注:8月6日に米連邦破産法11条の適用を申請した)。この発表を受け、同社の株価は88%急落した。

 多くの投資家が注目するフィラデルフィアKBW銀行株指数(24の最大手銀行株から組成)は、今年既に10%も下落している。主因はサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)市場の崩壊だ。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが公表するS&P500種株価指数は、金融株の占める割合が2割と最も大きいためダメージが広がった。金融株を除外すると年初から7月までの指数上昇率は5.6%だが、金融株を含めた全体では2.6%にとどまっている。

 金融サービス会社は既に厳しい状況にあるが、今後数カ月でさらに深刻さを増し、株式市場全体に重くのしかかっていきそうな気配だ。

投資銀行の信用評価は“カジノ”並み

 サブプライム問題は住宅ローン以外の業界にも広がつつあり、既に少なくとも5つのヘッジファンドが破綻した。目下の懸念は、企業融資とジャンク債市場の不振が深刻化し、レバレッジド・バイアウト(LBO、相手先資産を担保にした借り入れによる買収)向けの資金調達が危うくなることだ。それが、LBOを大きな収益源とする投資銀行を脅かしている。

 さらに、既に進行中の買収案件に対して投資銀行が結んだローンコミットメントが3000億ドルにも上り、今後、多くの投資銀行を窮地に陥れることになるのではないかという懸念も高まっている。見通しは悲観的で、デリバティブトレーダーは主要投資銀行の債券がジャンク債並みに暴落すると踏んでいるほどだ。

 米ゴールドマン・サックス・グループ(GS)や米リーマン・ブラザーズ(LEH)に対する信用評価は、カジノ運営会社である米シーザーズ・エンターテインメントと大差ないとまで見られている。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)のクレジット戦略グループのアナリストの弁である。

 おそらく、最大手の投資銀行やブローカーの状況はそこまで悲惨ではない。ムーディーズとS&P(S&Pはザ・マグロウヒル・カンパニーズの事業部門)は、ほとんどの金融機関の信用格付けを変えていない。ムーディーズの上級副社長ピーター・ナービー氏は、投資銀行はリスク管理に長けており、持ちこたえるだけの豊富な資源を持つと言う。「リスク管理で大事なのは、決定的な痛手や大きな打撃を避けることだ。つまり、手元流動性を高くしておくことだ」。

 とはいえ、ウォール街に暗雲が立ちこめていることに変わりはない。成立間近だった買収案件のうち20件あまりに対する資金供給が滞っている。独ダイムラー・クライスラー(DCX)の北米クライスラー部門や米ゼネラル・モーターズ(GM)の子会社アリソン・トランスミッションの買収計画は既に延期が決定されている。

犠牲者はまだまだ増える

 大手機関投資家が夏の休暇から戻る9月には金融市場は改善するだろうとウォール街は期待をかける。だが、何の裏づけもないたわ言だ。

 「投資銀行や(投資ファンドの)出資者たちはこう言う。レイバーデイ(9月の第1月曜日)を過ぎる頃には万事うまくいく。少し時間をおいて頭を冷やせば、また元に戻るってね。しかし、そんな言葉を信じるわけにはいかない」と、高利回り債専門の調査会社フリッドソン・ビジョンのマーティン・フリッドソンCEO(最高経営責任者)は言う。市場が抱えている新たな問題を考えれば当然だ。

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