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アウトソーシング大国、インドの岐路

ルピー高、人材不足、欧米巻き返しで“宴”は終焉

2007年8月24日(金)

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Manjeet Kripalani (BusinessWeek誌、ムンバイ支局主任)
Nandini Lakshman (在ムンバイ、共同執筆)

米国時間2007年8月6日更新 「Is the Party Over for Indian Outsourcers?

 7月下旬、インドのインフォシス・テクノロジーズ・リミテッド(INFY)が、欧米の大手IT(情報技術)サービス会社の買収に乗り出すのではないかという噂が飛び交い、仏キャップ・ジェミニ(CGEMY)という具体名まで上がった。7月25日にマスコミと市場向けに重大な発表を行うことが明らかになると、大きな期待が広がった。

 ところがインフォシスが発表したのは、蘭ロイヤル・フィリップス・エレクトロニクス(PHG)との2億5000万ドルのアウトソーシング契約だった。インフォシスによれば、要するにフィリップスの3大アウトソーシングセンターを買収するということである。「我々は新たなビジネスモデルに踏み出す」と、クリス・ゴパラクリシュナンCEO(最高経営責任者)は語った。

 新しい契約は悪くはないが、期待が裏切られた感もある。インフォシスに本当に必要なのは、世界規模のアウトソーシングサービスの巨大市場における戦略を徹底的に見直すことだという見方は根強い。インフォシスに限らず、インドのアウトソーシング会社にとって競争は厳しさを増すばかりで、思い切った新戦略を打ち出す必要に迫られているのだ。

業績は好調だがマイナス要因も多い

 直近の決算発表を見る限り、インドのアウトソーシング大手は好調を維持している。タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TACSF)、インフォシス、ウィプロ(WIT)、サティヤム・コンピュータ・サービス(SAY)、そして米コグニザント・テクノロジー・ソリューションズ(CTSH)の上位5社は2007年4~6月期に堅調な利益を計上しており、今後も力強い成長が続くと各社は予測している。

 タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)はムンバイを本拠とし、売り上げは31億ドル規模に達している。CEO兼社長を務めるS.ラマドライ氏は、「予想を上回ったことは誠に喜ばしい。業界リーダーにふさわしい業績を上げている」と語り、インドのアウトソーシング業界全体の海外受注額は2010年に600億ドルに達すると予測する。現在の350億ドルのほぼ2倍であり、インド国内での受注額200億ドルがこれに加わる計算だ。

 だが、この強い自信の裏には不安も見え隠れする。いくつもの困難が浮上しているからだ。ルピー高は収益を削り、インド国内では人材不足が深刻さを増し、米国ではH-1Bビザ(専門職一時就労ビザ)の発給数が制限されている。2008年の米国大統領選を控え、保護貿易主義の高まりが新たな脅威になっている。

バンガロールの全盛時代は終わり?

 さらに、国内ではソフトウエア産業を対象とした優遇税制措置が廃止され、米アクセンチュア(ACN)や米IBM(IBM)などのライバルがインド市場で攻勢をかけている。インド企業にとっての最大の課題は、ビジネスコンサルティング分野への進出を急がなければならないことだ。IBMのような欧米企業が長く独占してきた領域である。インドのアウトソーシング会社が食い込むためには大規模な投資が必要であり、少なくとも短期的には利益圧迫要因になる。

 ついに、こんな疑問も出てきた。アウトソーシング業界におけるバンガロールの全盛時代は終わるのか──。

 国際技術顧問会社TPIアドバイザリー・サービシズ・インディアのパートナー兼社長のシッダールト・パイ氏は、その疑問にこう答える。「インドのIT企業の高収益と急成長は非常に長く続いた。しかし、そもそも異例なことであって、成熟段階に入れば、同じようにぼろ儲けすることはできない」。

 成熟期は必ずやって来る。この10年間、インドのソフトウエアサービス企業は先進国に対して効率的な各種ITサービスを提供することで大躍進した。IBMのような欧米企業に比べて40%という低コストが武器だ。1997年にわずか10億ドルだった売り上げは、2007年には350億ドルに膨れ上がった。

高度なコンサルティングでは欧米企業にかなわない

 最初は、IBMグローバルサービスやアクセンチュア、米EDSといったライバルは不意打ちを食らって動揺した。しかし、すぐに新しい競争に立ち向かう。インド国内に拠点を作り、インド企業を次々に買収し、大量の現地採用に踏み切った。自分たちの顧客企業に同じようなサービスを提供する態勢を整え、一気に形勢を挽回したのである。今年6月の時点で、これら3社がインド国内で雇用しているIT技術者は10万人にも上っている。これは、インド企業上位3社の約3分の1の規模。それを、たった3年間で達成してしまったのである。

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