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このM&Aが危ない!

信用収縮で資金調達が行き詰まり、大型の買収案件は頓挫

2007年9月3日(月)

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Steve Rosenbush (BusinessWeek.comシニアライター、ニューヨーク)

米国時間2007年8月20日更新 「The M&A Deals Most at Risk

 スティーブ・シーサー氏は、M&A(企業の合併・買収)専門の弁護士。これまで中規模の買収案件を多く手がけてきたが、プライベートエクイティ(非公開株)の状況が変わりつつあるのを肌で感じている。

 それは先週のことだ。ニューヨークの法律事務所ローエンスタイン・サンドラーPCを共同で経営しているシーサー氏に、ある銀行から1本の電話がかかってきた。それは、事務所の顧客が進めている買収案件に資金を提供することに合意していた銀行だった。

 シーサー氏は具体名を明かさなかったが、総額で数億ドルの買収案件でそのうち1億6000万ドルを銀行融資で調達するという。交渉は7月から始まった。月末に市場を襲った信用収縮の前のことである。

 その銀行が電話で伝えてきたのは、融資条件の変更だった。

 まず、金利を2%ポイント上げて13%にすること。加えて、銀行側の裁量で借り手側企業が遵守すべき契約条項や財務的指針を追加できるようにすること。債務不履行に陥ることを防ぐためというのが、その理由だった。それらの要求を飲めば、シーサー氏の顧客の資金調達コストは跳ね上がり、買収そのものが成立しなくなる恐れがある。

 この話は、プライベートエクイティ業界に広範かつ急速に信用収縮の影響が及んでいることを示すほんの一例だ。発表済みの買収案件が本当に成立するのか、取引条件はどう変わるのかという疑問が次々に浮上しているのだ。すべての始まりは7月末だった。借金返済のためにもっと借金させるような危なっかしい貸し付けがストップ。ごく普通の融資案件にまであっという間に影響が広がったのである(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年7月30日「The Deep Risks of 'Asset-Light' Debt」)。

 大型の買収案件のいくつかは成立しそうもないと見切りをつける投資家も出てきた。シーサー氏も実感している。「買収額の大きい案件ほど資金調達が難しくなるようだ。おそらく、巨額案件のうちいくつかは成立しないだろう」。

買収成立が危ぶまれる案件が続々と

 成立が危なそうな買収案件はどれか──。株価の動きから投資家がかなり神経質になっていると見られるのは、アウトソーシング会社の米アフィリエイテッド・コンピューター・サービシズ(ACS)である。82億ドル規模のMBO(経営陣による企業買収)が当初の条件で成立するかどうか怪しくなっているのだ。買収額があまりにも高いうえに、負債をどっさり抱えているのだ。

 創業者でもあるダーウィン・ディーソン会長と米買収ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントは、レバレッジド・バイアウト(LBO、相手先資産を担保にした借り入れによる買収)ブームが最高潮にあった3月、1株当たり59.25ドルを提示していた。しかし、現在の株価は50ドルを割り込み、提示価格を16%も下回っている。

 米投資会社トーマス・H・リー・パートナーズによる米情報サービス会社セリディアン(CEN)の買収(提示額53億ドル)も、市場の不安感を反映して買収アービトラージが拡大しているのだ。買収側がセリディアンに提示したのは1株当たり36ドルだが、株価は9%下落して現在32.6ドルである。

 同様の理由で、サーベラスが66億ドルで買収する予定の米建設・産業機械レンタル大手のユナイテッド・レンタルズ(本社コネチカット州グリニッチ、URI)も、成立が疑問視されている。サーベラスが1株当たり34.5ドルを提示してから1カ月も経たないうちに、株価は30.5ドルと13%下落した。

 市場に対する重大な試金石となるのは、米大手投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)による米決済サービス会社ファースト・データ(FDC)の買収である。買収額は280億ドルとあまりにも巨額。この案件の融資条件も当初は、コベナンツ・ライト契約(付帯条件の緩い融資契約)だったが、今では嫌気されている。手元資金に余裕のない借り手がさらに融資を受けることで借金を返済することを認めているからだ。

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