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労働力不足の虚実

「足りない」「足りている」――米国で大論争

2007年9月4日(火)

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Moira Herbst (BusinessWeek.com記者、ニューヨーク)

米国時間2007年8月21日更新 「Labor Shortages: Myth and Reality

 米国の労働市場は逼迫していると言われるが、実際のところはどうなのだろうか。

 政府統計によれば失業率は4.6%で、まれに見る低水準にある。農業から建設、医療、ハイテクまで、どの業界でも雇用主は労働力不足を訴えている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年4月9日「Where Are All the Workers?」)。

 ブッシュ政権が査証(ビザ)なし就労者の取り締まりを強化したことで、状況はさらに悪化すると見られている。建設会社は、オフィスビルやハイウエーを作れなくなると言う。農家は、畑で収穫できない作物が腐っていくと嘆く。不法移民が減っているためなのだが、だからと言って、米国人は鋤や鍬を手に取ろうとはしない。

(編集部注: 米政府は8月10日、新たな移民規制強化策を発表。不法移民とその雇用主への罰則、罰金を強化する。季節労働者向けビザの申請手続きの簡素化なども盛り込まれている)

 「いったい誰が、米国民の食卓に肉や野菜を運んでくれるというんだ。何も食べないという人には関係ない話だがね」。移民規制改革を求める農業団体連合(ACIR)の共同議長で、米国造園業協会のスポークスマンでもあるクレイグ・レゲルブラッジ氏は、農業や造園業における窮状を訴える(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年8月14日「Immigration Rules: An Economic Disaster?」)。

ディスカレッジドワーカーが水面下で急増

 米証券大手メリルリンチ(MER)の北米担当エコノミスト、デビッド・ローゼンバーグ氏の見方は違う。労働力不足の問題はあまりにも誇張されているというのだ。この問題に関する分析を、『労働力は本当に足りないのか?』と題するリポートにまとめて公表したばかり。働き手が足りないのは、「雇用主の努力が足りないからだ」と手厳しい。

 問題は、労働者の数ではなく賃金水準にあるのではないか。市場経済においては、「どうしようもない欠乏」というものは起こり得ない。何かが足りないのなら、もっとカネを出せば手に入れられる。雇用主が“労働力が足りない”と言うのは、要するに、雇用主側が決めた賃金の額では十分な人手が集まらないということなのだ。

 「パーティーでの話題にはいいかもしれないが、どんな統計データを見ても、米国が深刻な労働力不足に陥っているとは言えない」。ローゼンバーグ氏はそう述べている。

コメント9件コメント/レビュー

国家間の経済格差を利用するグローバル経済と国に帰属する人間との軋轢だ。米国でも農業部門の人気が非常に低いと知って少し安心している。・・・あらゆる経済の基点は一次産業だ、介護部門などの経済の川下にある業界ではなく、農業による食糧の生産などの川上こそハイテク・ロボット化による省人化、高効率化のメリットが大きい。生存の基盤の食料等が充足していれば、国権による再配分などがやり易いし、労働条件の相対的な底上げも容易だ。介護=豊かな団塊ということもあり、介護ロボットなどの開発には企業も熱心だが、国は一次産業部門のハイテク化に企業が欲望を動かしやすい政策を取るべきではないか?農家への保障金などの旧体質の温存に繋がる政策は論外だと思う。(2007/09/05)

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国家間の経済格差を利用するグローバル経済と国に帰属する人間との軋轢だ。米国でも農業部門の人気が非常に低いと知って少し安心している。・・・あらゆる経済の基点は一次産業だ、介護部門などの経済の川下にある業界ではなく、農業による食糧の生産などの川上こそハイテク・ロボット化による省人化、高効率化のメリットが大きい。生存の基盤の食料等が充足していれば、国権による再配分などがやり易いし、労働条件の相対的な底上げも容易だ。介護=豊かな団塊ということもあり、介護ロボットなどの開発には企業も熱心だが、国は一次産業部門のハイテク化に企業が欲望を動かしやすい政策を取るべきではないか?農家への保障金などの旧体質の温存に繋がる政策は論外だと思う。(2007/09/05)

大変考えさせる課題である。水は高きから低きに流れる。個人の利益か企業の利益かはこの国際社会でどう当てはめるかの問題となる。経済はボーダーレス、人は国境がある。EUはどう対応しているのであろうか? 未だドイツは高失業率なのであろうか?それより異常に収入が多い人とワーキングプアの差をどうちじめるかも問題である。最低賃金は調整するかどうかも近々の課題である。(2007/09/05)

この記事の様な現象は日本でも確実に起きています。不法労働者は島国と言うことで少ないかも知れませんが。いずれにせよ、日本も一次、二次産業については、このような問題がいずれ表面化するでしょう。 大連に象徴されるようなBPOが進んでいく中、いずれホワイトカラーにも同様な現象が起こります。「働く」ことの本来の目的である金銭的な対応も含めて、資本主義社会がいずれ迎えるカルマである以上、国、地方かは解りませんが、ある程度の行政介入が必要な事象だと感じました。(2007/09/04)

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