Moira Herbst (BusinessWeek.com記者、ニューヨーク)
米国時間2007年8月21日更新 「Labor Shortages: Myth and Reality」
米国の労働市場は逼迫していると言われるが、実際のところはどうなのだろうか。
政府統計によれば失業率は4.6%で、まれに見る低水準にある。農業から建設、医療、ハイテクまで、どの業界でも雇用主は労働力不足を訴えている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年4月9日「Where Are All the Workers?」)。
ブッシュ政権が査証(ビザ)なし就労者の取り締まりを強化したことで、状況はさらに悪化すると見られている。建設会社は、オフィスビルやハイウエーを作れなくなると言う。農家は、畑で収穫できない作物が腐っていくと嘆く。不法移民が減っているためなのだが、だからと言って、米国人は鋤や鍬を手に取ろうとはしない。
(編集部注: 米政府は8月10日、新たな移民規制強化策を発表。不法移民とその雇用主への罰則、罰金を強化する。季節労働者向けビザの申請手続きの簡素化なども盛り込まれている)
「いったい誰が、米国民の食卓に肉や野菜を運んでくれるというんだ。何も食べないという人には関係ない話だがね」。移民規制改革を求める農業団体連合(ACIR)の共同議長で、米国造園業協会のスポークスマンでもあるクレイグ・レゲルブラッジ氏は、農業や造園業における窮状を訴える(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年8月14日「Immigration Rules: An Economic Disaster?」)。
ディスカレッジドワーカーが水面下で急増
米証券大手メリルリンチ(MER)の北米担当エコノミスト、デビッド・ローゼンバーグ氏の見方は違う。労働力不足の問題はあまりにも誇張されているというのだ。この問題に関する分析を、『労働力は本当に足りないのか?』と題するリポートにまとめて公表したばかり。働き手が足りないのは、「雇用主の努力が足りないからだ」と手厳しい。
問題は、労働者の数ではなく賃金水準にあるのではないか。市場経済においては、「どうしようもない欠乏」というものは起こり得ない。何かが足りないのなら、もっとカネを出せば手に入れられる。雇用主が“労働力が足りない”と言うのは、要するに、雇用主側が決めた賃金の額では十分な人手が集まらないということなのだ。
「パーティーでの話題にはいいかもしれないが、どんな統計データを見ても、米国が深刻な労働力不足に陥っているとは言えない」。ローゼンバーグ氏はそう述べている。
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