• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「サブプライム」に影響を受けない中東市場
オイルマネーが集まる3つの条件

  • 田中 保春

バックナンバー

2007年9月11日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 サブプライム問題に端を発する信用不安によって、欧米を中心に金融市場の混乱が懸念されているが、中東市場はほとんど影響を受けていないようだ。もともと湾岸産油国の金融機関はサブプライム関連のエクスポージャーはないか、あっても微小であった。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズも中東域内の銀行の格付けをネガティブに変更しないとコメントしている。

 とはいえ、湾岸産油国の大勢の投資家は欧米のヘッジファンドを保有しており、間接的な影響は避けられないだろう。またサブプライム問題以降、イスラム金融債(スクーク)発行市場では市場動向の見極めを理由に発行延期という動きも出ている。

 しかし、実体経済に及ぼす影響はほとんどないと言える。それどころかロイターによると、ドバイの政府系投資会社であるイスティスマール(アラビア語で投資を意味する)は、サブプライム問題で損失を受けた米国の関連企業2社の買収を検討しているらしい(関連記事)

 筆者はこの情報を見た時に、ある事を思い出した。1980年代末に米国S&L(貯蓄金融機関)が破綻し、ラテンアメリカの不良債権が深刻化するなか、1991年に世界的な富豪として知られるサウジアラビアのワリード・ビンタラール王子がシティグループ(当時はシティバンク)に5億9千万ドルを投資し、その後莫大な含みを得たことである。

政府も演出するサウジの株式公開ブーム

 昨年6月の「投資先求め、さまようサウジマネー(未公開株への投資ファンドが急増)でも紹介したが、湾岸産油国は依然として空前の株式公開ブームだ。サウジアラビア資本庁によると、サウジアラビアでは昨年だけで総額74.6億ドル(約8640億円)規模の株式公開が実施された。国内の拡大する資金流動性を背景に、政府が株式公開基準を透明化し、株式公開審査を迅速化するなど、積極的に株式公開を推進しているのも大きな理由だ。

 そのため、外資にも市場開放された保険分野や、石油化学製品を製造するためのガスなどの原材料をサウジアラムコから供給を受ける新設の石油化学会社などは、設立当初からジョイント・ストック・カンパニーと呼ばれる、日本でいう株式会社の会社形態が政府から要求され、迅速に株式公開をすることが求められている。

 サウジアラビアでは多くの投資会社が投資ファンドを立ち上げ、湾岸域内を中心に積極的に投資しており、中東・北アフリカ諸国を含むMENA域内(Middle East and North Africaの略称で、近年学術やビジネス界でよく使われる。次回詳述)の投資会社が運用する投資ファンドは2006年末には130億ドルを超え、今年末には250億ドル規模に達すると推測されている。(参考)

 2005年には「湾岸ベンチャーキャピタル協会」というNPO組織も設立され、サウジアラビアなど湾岸諸国の投資家達が集まり、ネットワーキングや情報交換を活発化させている。2004年には数十億ドルだった投資ファンドの市場規模が近年急速に拡大しているわけだ。

 こうした投資ファンドが近年の域内経済の発展の大きな原動力になっている。報告書によると、ベンチャーキャピタルからの投資を受けたMENA域内の企業の売り上げは平均で37%、純利益は24%、雇用は23%も成長している。

コメント0

「世界鑑測 田中保春の「サウジ・新潮流」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック