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米国で始まった“スクール2.0”

ハイテク教育改革は米国の超格差を解消できるか

2007年9月21日(金)

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Rachael King (BusinessWeek.com記者、サンフランシスコ)

米国時間2007年9月5日更新 「Back to School 2.0

 アーカンソー州グレープバインの子供たちは、まだ暗いうちにスクールバスに乗り込む。枕と毛布を持参する子供もいる。州農村部のシェリダン学区では、通学時間は1時間半にも及ぶ。運転手の気を散らすといけないので、大はしゃぎもできない。子供たちにとってはとてつもなく長く感じられる。

 だが最近、週15時間にも及ぶ長い通学時間は前よりもずっと楽しいものになっているのだ。

 「アスパーノート計画」と呼ばれる実験プログラムのおかげで、バスにはインターネットルーターが装備され、子供たちにはビデオアイポッド(iPod)やノートパソコンが与えられた。コンテンツとして、ナショナルジオグラフィック・ソサエティーの「ワイルドクロニクルズ(野生年鑑)」といった教育ビデオが入っていて、弱肉強食などについて学ぶことができる。

世界から取り残される米国の“地方”──その厳しい現実

 アスパーノート計画を始めたのは、バンダービルト大学で生化学を教えるビリー・ハドソン教授とその夫人で麻酔医のジュリー・ハドソン博士である。グレープバインで育ったハドソン教授は、ここでは子供たちに与えられる機会があまりにも少ないことを痛感している。しかも、「こういう田舎では、今まであった仕事はアウトソーシングされてしまって地元の人間には回ってこない」(ハドソン氏)という厳しい現実がある。

 米国農村部の子供にだって数学や科学の知識が必要だと考えたハドソン夫妻は、バンダービルト大学やシェリダン学区の支援を得て、通学バスを“仮想学校”に仕立て上げようとしているのだ。オンライン動画やポッドキャストといった最新のテクノロジーを活用するのがミソだ。子供たちの反応は上々で、もっと勉強したがっていると、ハドソン博士は満足げだ。

 米国の公立学校では、子供たちが世界で闘っていくための教育を十分行っていないではないか──。今、教育関係者の間でそうした危機感が高まっている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年4月10日「A Flawed Measure of Ed Tech」)。2003年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2003)で、米国の第8学年(中学2年)の成績は世界35カ国中、数学が第14位、理科が第8位というありさまだった。

子供たちが競い合う相手は「世界」なのに…

 「州の教育システムの改善を急ぐ必要がある。米国の子供たちは、インドや中国、日本をはじめとする世界中の相手と競争していかなければならないのだから」。アラバマ州トラスビルにあるトラスビル市学校群の教育長、スザンヌ・フリーマン氏は真剣な表情で話す。

 フリーマン氏の学区では、「問題解決力」「創造的思考力」「地球規模で世界を知る力」の3つを教育の重点目標に設定している。そのために、トラスビル市学校群や全米の先進校で、IT(情報技術)の本格的な活用が始まっている。ポッドキャスティングやブログ、米イーベイ(EBAY)の「スカイプ」によるインターネット通話などを教育現場に取り入れて、米国の子供たちの協調性や創造性、国際的なコミュニケーション能力を引き上げるのが狙いだ。

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