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グリーンスパンの予言書

回顧録『波乱の時代』が描く“グローバル化の終焉”

2007年9月28日(金)

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Michael Mandel (BusinessWeek誌、主席エコノミスト)
米国時間2007年9月17日更新 「Greenspan's Memoir Looks Forward

 米連邦準備理事会(FRB)前議長アラン・グリーンスパン氏の回顧録『The Age of Turbulence(波乱の時代)』は、その講演にもまして素晴らしい。計算された思慮深い言葉で綴られながらも、ドキッとさせるような記述がちりばめられている。

 世間を驚かせたのは、自身も古くからの共和党員であるグリーンスパン氏が、当の共和党を批判したことだ。批判の矛先はジョージ・W・ブッシュ大統領の経済政策と、2006年まで議会の過半数を占めていた共和党議員に向けられている。「イラク戦争は主に石油が目的だった」と躊躇なく書いていることも衝撃的だ。

 だが、本書の真価は後半の経済分析と予測の部分にある。81歳のグリーンスパン氏は現代を代表するエコノミストである。そのグリーンスパン氏が予測する経済の行く末は、政治的な話題は抜きにしても一読の価値がある。

 前半はグリーンスパン氏の自伝だ。ニューヨーク市で過ごした少年時代から、世界で最も影響力のある中央銀行の長という名誉ある地位に就くまでを語っている。

 私生活のエピソードで一番面白いのは、当時米NBCニュースのホワイトハウス担当記者だったアンドレア・ミッチェル氏(現夫人)との初デートの話だ。「レストランで、(反トラスト法の)独占的行為についての議論で盛り上がった。それについて僕が書いた論文があるから読みに来ないか、と自宅に誘った」とグリーンスパン氏は振り返る。なんて高尚なロマンスなのだろうか!

ニクソン、ブッシュ親子を痛烈に批判

 本書を読めば、グリーンスパン氏が長年にわたっていかに共和党組織と強い関わりを持ってきたかがよく分かる。共和党との密な関係の始まりは1967年、リチャード・ニクソン元大統領の大統領選の頃だ。同じ共和党のロナルド・レーガン元大統領を「保守主義について明確な見解を持っている」と称賛するのもうなずける。

 意外なのは、ビル・クリントン前大統領のことを「民主党員だというのに、伝統的な増税路線のリベラル派とは違う」と高く評価していることだ。「理論よりも事実を重視する」と最大級の賛辞を送っている。

 対照的に、3人の共和党大統領に対しては辛口だ。ニクソン元大統領については人格の暗部を嫌って、スタッフとして働くことを拒んだ。ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領については、金利について「きちんとした考え」を持っていなかったと批判している。

 ジョージ・W・ブッシュ大統領の経済政策に対しても失望をあらわにしている。「(ブッシュ大統領は)経済政策についての徹底的な議論や長期的な影響の検討にほとんど価値を見いだしていなかった。残念なことに、“財政赤字は問題ではない”というのが共和党の口癖になってしまった」。

 グリーンスパン氏が最も痛烈に批判するのは、膨大な財政赤字を招いた共和党議員だ。「共和党議員は血迷った。権力を得るために基本原則を捨てたのだ。そして結果的に両方とも失ってしまった。負けは必然だったのだ」。

複雑すぎるグローバル経済に、経済学は歯が立たない

 あまり知られていないことだが、グリーンスパン氏は学問としての経済学にあまり期待していない。「計量経済学は洗練されているが、有効な政策を生み出す力はない。グローバル化が進んだ今、世界経済はあまりにも複雑すぎる」というのである。

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