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欧州に吹く風力発電旋風

2015年には150億ドル! 巨大市場の争奪戦が激化

2007年10月2日(火)

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Mark Scott (BusinessWeek誌、ロンドン支局記者)

米国時間2007年9月19日更新 「Wind Power's a Breeze in Europe

 再生可能エネルギー──。電力源としては長く脇役だったこの新分野が、欧州で急成長している。

 各国政府は潤沢な補助金を給付している。欧州連合(EU)では2020年までにその全域でのCO2(二酸化炭素)排出量を20%削減しようとしている。さらに地球温暖化対策への一般市民の意識が高まっている。これらが追い風となり、再生可能エネルギー産業の存在感を一気に高めているのだ。

 特に風力発電はその牽引役である。環境に優しい“グリーン電力”の利用競争で欧州がほかの地域を引き離しているのも、風力発電の力によるところが大きい(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年8月3日「Europe: No. 1 in Sustainable Energy」)。

 スペインのバルセロナにも事務所を置く米コンサルタント会社、エマージング・エナジー・リサーチ(EER)によると、欧州の発電用風力タービンの市場規模は、2006年から2015年にかけて約1.7倍に拡大し、年間150億ドルに達する見込みだ。

 ドイツとスペインは、EU最大の風力発電国であり、いずれも風力発電による発電能力を今年から2012年までに年間2000メガワット(メガは100万)ずつ増やす計画だ。これは石炭火力発電所3カ所分に相当する規模だ。また、風力発電の新興市場である東欧では、同じ期間に毎年2ケタ成長を続けると見られている。

大手による買収攻勢も活発化

 EU域内では今後8年間で全世界の4割以上に当たる風力発電所が設置される予定なのである。風力発電量の多い世界トップ20カ国のうち、欧州は13カ国を占めている。「風力発電は、EU内の多くの国で実績を伴った技術になっている」と、欧州の風力発電市場をウオッチしているEERのアナリスト、カタリナ・ロブレド氏は言う。

 風力が欧州の電力構成の一角を占めるようになったことで、再生可能エネルギーを新たな収益源にしたい大規模エネルギー会社による企業買収も活発化している。

 8月には、ドイツの電力会社エーオン(EONGY)が、スペインとポルトガルの風力発電事業者をデンマークのドングエナジーから10億ドルで買収した。昨年末には、風力発電世界最大手であるスペインのイベルドローラ(IDRO.BE)が、英スコティッシュ・パワーを232億ドルで買収。同社が英米両国に所有する多数の風力発電関連施設を手中に収めた(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年6月6日「Iberdrola Has the Wind at its Back」)。

 そして、今最も注目されているのが東欧である。東欧各国では国内の競争が少なく、肝心の風力は十分にあり、政府の補助金は潤沢だ。風力発電に取り組む企業にとって投資効率は抜群だ。業界予測によれば、東欧での風力発電容量は年間33%の勢いで伸び、2015年には7.5ギガワット(ギガは10億)に達する。

注目を集める新天地ポーランド

 ポーランドへの関心はとりわけ高い。EERの試算によれば、ポーランドにおける風力発電量は2015年には2.6ギガワットとなる見込み。これは2006年の17倍以上に相当する。また、風力発電への投資額は2009年には33億ドルに達する見込みだ。スペインのエンデサ(ELE)やイベルドローラ、ドイツのRWE(RWEG.DE)やエーオンなどがポーランドで風力発電施設を建設中である。

 「中欧や東欧には、陸上、洋上に風力発電所の建設に適した場所が数多くある」と、エーオンの再生可能エネルギー部門最高財務責任者(CFO)、コルト・ランツマン氏は言う。現在、北海に60メガワット級の風力発電所を建設中で、ポーランドには複数の建設を検討している。

コメント20件コメント/レビュー

 原子力発電には,利用者が支払う電力料金とは別に,兆円単位の多額の税金が投入されているのが現実である。そうしたことも含めて再生可能エネルギーへの助成の可否を考えるべきではないだろうか。日本にも風資源は十分にあり,発電量の20%を供給することは可能である。広い土地が必要だから無理という話を聞くが,実際には田畑や山林の数%の土地を使うだけである。野鳥への影響は,送電線や建築物,交通機関の影響と比べてはるかに小さいことが既に明らかになっている。(2007/10/04)

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 原子力発電には,利用者が支払う電力料金とは別に,兆円単位の多額の税金が投入されているのが現実である。そうしたことも含めて再生可能エネルギーへの助成の可否を考えるべきではないだろうか。日本にも風資源は十分にあり,発電量の20%を供給することは可能である。広い土地が必要だから無理という話を聞くが,実際には田畑や山林の数%の土地を使うだけである。野鳥への影響は,送電線や建築物,交通機関の影響と比べてはるかに小さいことが既に明らかになっている。(2007/10/04)

日本における風力の採算性や供給安定性、台風等の災害を考慮するに適した場所は少ないだろう。更に新たな補助金目当てのばら撒き土建の無駄事業にならないよう慎重に厳しい目で採算性・妥当性評価はされねばならない。電力会社に高価買取を命じる事や補助金の話を簡単に持ち出すコメントはどうかと思う。消費者として高い料金を払って良いというのか?直接の自分の財布でないからと簡単に言うのは無駄遣いしている今迄の政治家や役人と同じである。但し、国の安定と安全を考えるという意味の国防(安全保障)として、このような多少の採算割れを保険としてかけるような行為(「欧州は電力を安全保障の一部」とのコメントに同意)として、風力に限らず他の手段含めた模索は重要だろう。風力は見た目勇壮の割りに発電量はたいした事無い事や、地熱も安定供給(持続)性と発電量に採算面で疑問符が付く、太陽光は日本は曇りや雨天が多い方で面積が必要だが、夏の暑い日のエアコン需要に連動させやすい等の各種特色を考えて吟味する事が大事だ。暖房系・給湯に使う比率も高い事から寒い所に廃熱の在る施設を増やし、廃熱を暖房用に有効活用する事や、冬の豪雪を保存して夏の冷房に使えないかなど、上手いヒートコントロールも検討すべきかと。(2007/10/03)

風力,太陽光,自然エネルギーとしてそれだけが注目されることが多いが,トータルのエネルギーシステムの設計が必要であると思いました.欧州事情は参考になりますが,そのまま受け売りでは成り立ちません.ただし,設計に当たっては,日本のエネルギー消費・供給の根本的ビジョンが必要です.明らかに今のビジョン?は,消費拡大・供給拡大で,持続性がありませんし,CO2排出,放射性廃棄物問題など,後始末を無視した成長指向です.まず日本社会として,節度をもったエネルギー使用とそのなかでの効率向上(ここに革新的技術開発がある)を根本とした上で,風力,地熱,太陽などを如何にミックスしていくか,ということです.原子力も当面は必要でしょうが,徐々に減らしていくべきでしょう.(2007/10/03)

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