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なぜ、米国メディアは「イラン攻撃」論を流すのか

再燃するイラン報道の裏側を読む

2007年10月10日(水)

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またしても加熱するイラン空爆論

「米国がイランを空爆するのではないか」との観測がまたしても米国で強まっている。

 数々の賞を受賞している経験豊富な調査ジャーナリストのセイモア・ハーシュが、10月8日付の「ニューヨーカー」誌電子版で、ブッシュ政権のイラン攻撃計画に関する調査リポートを発表。この中でハーシュは、「今夏ホワイトハウスは、ディック・チェイニー副大統領の後押しのもと、統合参謀本部に対して、長年にわたって計画されてきた実現可能なイラン攻撃計画の書き直しを命じた」と述べ、従来の核施設や軍の主要施設を狙った広範囲におよぶ空爆計画から、イラン革命防衛隊の施設などを狙った限定的な空爆へと標的を変更した計画の策定を命じたと報じたのである。

 イランの核開発計画を阻止することを口実にした同国の核施設を狙った空爆ではなく、イラクのシーア派民兵に対して武器の供給や軍事訓練を提供し、イラクで米軍に損害を与えていることを理由に、イラン軍のとりわけ革命防衛隊をターゲットにした限定空爆攻撃を行うというのである。

 このほかにも最近、米国のイラン軍事攻撃準備を示唆するような報道が欧米のメディアから競うように流されている。10月1日、2日の英「サンデー・タイムズ」紙は、「米空軍がイランとの戦争を睨み、湾岸諸国との情報協力を強化し、共同の軍事訓練を頻繁に行っている」「米の外交官たちは、国連でイランの国際法違反を示すような証拠を集めるのに躍起になっている」などと報じ、米「ニューズウィーク」誌(10月1日)も、チェイニー副大統領の中東政策アドバイザーを務めたデヴィッド・ウァームザーの言葉を引用し、「チェイニー氏はイスラエルに対して、イランの核施設への限定的な空爆を行うよう依頼することを考えた」と報じた。

 さらにネオコン派言論人の古株ノーマン・ポードレッツがホワイトハウスでブッシュ大統領と45分間会談し、その印象として「ブッシュ大統領は大統領の任期が切れる前にイランを叩くつもりだ」とテレビでコメントするなど、あたかも米・イラン戦争が今にでも始まりそうな過熱報道が続いている。

定期的に発信される対イラン強硬論

 この種のセンセーショナルな報道がなされたのは何も今回が初めてではない。2006年の春にも、今回と同種の情報が世界中を駆け巡ったことを賢明な読者は覚えているに違いない。イラクの治安悪化に歯止めがかからず、何とか流れを変えたいと様々な手段を模索していた当時のブッシュ政権の駐イラク大使が「イラク問題に限りイラン政府との直接会談を行う」と発表したのが2005年の末であり、この米政府の呼びかけに応じてイラン政府が正式に米国との交渉に応じると発表したのが2006年の3月。

 イラク戦争開始以来、米・イラン直接交渉の最大のチャンスが到来したかと思われたその矢先に、米各紙は「ブッシュ政権がイランに対する軍事攻撃を計画している」と大々的に報じ、同年4月17日付の「ニューヨーカー」誌でセイモア・ハーシュは、「米国はすでにイラン攻撃に向けた情報収集のためにイラン国内で特殊作戦を開始している」「米特殊部隊はイランの少数民族を通じた工作活動を行っている」と書き、これがセンセーショナルに報じられたのであった。

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「世界鑑測 菅原出の「安全保障・インサイド」」のバックナンバー

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「なぜ、米国メディアは「イラン攻撃」論を流すのか」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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