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高速道路は無料にできる

地方が豊かになり日本は新たな発展ステージへ

  • 山崎 養世

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2007年10月11日(木)

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 新政権下の国会で、高速道路の無料化が論点になりました。

 まず、自民党の伊吹文明幹事長が、民主党のマニフェストにある高速道路の無料化は財源のメドがなく無責任と批判しました。総理への代表質問のはずが野党の政策を批判したわけです。

 これに対して民主党はまだ明確に答えていません。

 結論から言いましょう。高速道路はタダにできます。その財源は十分にあります。歴代政府の政策や方針そのものが、それを証明しているのです。

受益者負担の約束をホゴにすべきではない

 来年度予算で最大の問題になりそうなのが、道路財源の取り扱いです。少し解説しましょう。

 小泉純一郎元首相が、道路はもう十分ある、だから、道路財源を他の予算にも回せるようにしよう、と言い出しました。これが、道路財源の一般財源化です。この方針を安倍晋三前政権も引き継ぎましたが、実行する前に政権が終わってしまいました。福田康夫政権はこの問題に決着をつけなければいけない運命にあります。

 というのは、自動車ユーザーが負担している税金のうち、約2兆5000億円にも上る部分が、何もしなければ来年からなくなるのです。これが道路財源の暫定税率の上乗せ分です。

 日本の自動車ユーザーは、消費税も含めて現在10種類、総額9兆円を上回る税金を払っています。このうち、揮発油税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税、地方道路税については法律で決めた本来の税率のほぼ倍の税金を取っています。その上乗せ分だけで2兆5000億円余りに達します。

 税金の上乗せが始まったのは1974年、田中角栄政権の時代でした。

 日本は高度成長の真っ只中、石油ショックを跳ね返すためにも全国に道路を作るんだ、それには財源が足りないということで、税金を上乗せすることが暫定的に決まったのでした。

 それが道路財源の暫定税率でした。受益者負担が大義名分でした。

 道路が整備されれば自動車ユーザーはメリットがあるのだから、高い税金を負担するのは当然だ、ということでした。それから今に至るまで、道路整備5カ年計画が作られるたびに、暫定税率が維持されてきました。そして、今年度でその期限が切れるのです。

 歴代自民党政権の大前提は、この暫定税率は維持し、自動車ユーザーから上乗せ分の税金を取り続けるというものです。

 そのうえで、当時の小泉純一郎首相は一般財源化、すなわち社会保険庁の不始末の穴埋めでも銀行の不良債権処理の損の後始末にでも何でも、自動車ユーザーから道路整備のためにといって徴収した税金を充てる、と言ったわけです。

 受益者負担の約束はホゴにされます。税の専門家でなくても、そんなことは筋が通らないことは分かります。もし一般の財政目的に充てるのであれば、消費税を自動車やガソリンにかければ終わりです。

デットアサンプションで借金は小さくできる

 そこで行き詰まった福田首相は、暫定税率による上乗せ分はやはり道路関連に使うという方針を打ち出したのです。その中には環境関連なども含まれますが、何のことはない、今まで通りの新しい道路作りに巨大な予算を使おうという本音が透けて見えています。結局何も変わらないわけです。

 そんなムダを続けるよりも、自動車ユーザーから取り上げている道路財源を高速道路の無料化に使えばいいのです。

 旧道路4公団の借金は40兆円余り。これがあるから通行料金を取っています。民営化による借金返済計画は45年です。その間、世界一高い通行料金を取るのです。

 借金を肩代わりした独立行政法人は国債よりも高い金利で借金しています。今後金利が上がればコストは上昇し、借金返済は遅れます。

 高速道路無料化は2つのステップでできます。ステップ1は、国が旧道路4公団の借金を肩代わりします。国が高速道路建設のコストを負担するわけですから、高速道路も普通の国道と同じになります。

 この時点で、高速道路の通行料金を取る根拠がなくなりますから、無料化が実現できるわけです。次のステップとして、肩代わりした借金を国が返済します。国は、国債などを通じて独立行政法人よりも低い金利で借金できます。

 高速道路無料化を実現するための手法を財務用語で言えば、デットアサンプション(債務承継)です。不良子会社の高金利の借金をなくして親会社の低金利の借金に置き換える時などに、欧米では一般的な手法です。

 国の借金が増えても独立行政法人の借金は減りますから、連結会計で見れば借金額は変わりません。むしろ、国の方が、金利が安くまた返済期間も短くできますから、全体としてはコスト削減ができるのです。

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