Amber Haq (BusinessWeek.comライター、パリ)
米国時間2007年10月8日更新 「This Is Your Brain on Advertising」
急に胸がいっぱいになったり、知らないうちにある製品がたまらなく好きになったり、食欲がわいてきたり――。広告に自分が操作されているような薄気味悪い感覚を抱いたことはないだろうか。
ところが、現実はそんなレベルではなくなっているのだ。
「ニューロマーケティング」という新しい手法が、今、欧州で注目を集めている。人間の脳をスキャンして広告に対する消費者の反応を脳科学的に分析するもの。広告がさらにパワーアップすることによって、消費者の財布の紐が緩みっぱなしになってしまうかもしれない。
ジョージ・オーウェル的な洗脳のような印象も受ける。だが、広告の精度を上げて売り上げアップを図りたい企業にとって、ニューロマーケティングは極めて魅力的な可能性を秘めている。莫大な広告費を投じる前に、広告やCMソング、ロゴが消費者の潜在意識にどのぐらい響くかを定量的に測定できるようになるからだ。「フォーカスグループインタビュー」や、そのほかのフィールド調査の信頼性に疑問を抱いていたマーケティング担当者にとっては、待ちに待った手法と言える。
広告を見た時に、脳のどこが“光る”か?
ニューロマーケティングでは、fMRI(機能的磁気共鳴映像法)やMEG(脳磁図)といった最先端技術のほか、従来から使われているEEG(脳波図)などを利用して、被験者が製品や広告を見たり、聞いたり、匂いを嗅いだりした時に、脳のどの部分が“光る”かを観察する。側坐核、島葉、内側前頭前皮質といった部位の活動状況から、特定の刺激に対する反応を把握することができる。
「感情は正確に言葉で言い表せるとは限らない」と、ジェンマ・カルバート氏は言う。カルバート氏は英国バース大学のマルチセンサリー・リサーチ・グループの代表で、英オックスフォードにあるニューロマーケティング・コンサルティング会社ニューロセンスで取締役を務めている。脳スキャンを利用すれば、「あなたが言っていることと、あなたの脳が言っていることの違いが分かる」という。
この点に注目し、英ロンドンに拠点を置くバイアコム・ブランド・ソリューションズはニューロマーケティングの実験に取り組んでいる。同社は米メディア大手バイアコム(VIA)の子会社で、MTV、VH1、ニコロデオン、パラマウント・コメディ、E!チャンネルといったテレビチャンネルを英国やアイルランドで放映する際に、その広告枠の販売を担当している。
ニューロセンスと契約して行った実験では、18〜30歳の20人あまりの被験者を対象にコメディアニメ「サウスパーク」を見せ、その合間に流れるCM広告への反応を測定した。被験者にはそれぞれfMRI装置に入ってもらい、1時間で4話を見せて脳内の活動を計測した。
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