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救いの水は劇薬か?

米銀のサブプライム救済基金に課題山積

2007年10月24日(水)

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David Henry (BusinessWeek誌シニアライター)

米国時間2007年10月18日更新 「Dangerous Waters for a Bailout

 信用市場の回復を狙って米銀3行が設立する巨大ファンドは、当初、熱烈に歓迎された。しかし、6週間の議論から生まれたこのプランがどのように機能するのかは明確でなく、それが本来の意図を損ねかねない弱点となっている。

 今夏、信用市場が機能不全に陥った時、ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる運用会社が存続し得ないことがはっきりした。SIVは一種の投資プール(一定の会計基準に従えば銀行が簿外で保有できる)で、短期のコマーシャルペーパー(CP)で資金を調達し、リスクの高いサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)などを担保としたCDO(債務担保証券)その他の高利回り証券を買う。

 今、こうしたSIVは短期のCPの借り換えができなくなった。合計で3250億ドルの運用資産を持つSIVは、信用市場全体に広がる被害を生みかねない。「皆、こうした資産が投げ売りされる事態だけは避けたいと思っている」と、法律事務所グリーンバーグ・トローリッグのストラクチャードファイナンス専門弁護士、シルビー・ダラム氏は言う。

 しかし、800億ドル規模の救済プランには、多くの不確定要因が伴う。米財務省の強い後押しを受けた同プランは、投資家の関心の度合いを測り、詳細について意見する余地を残す狙いもあって、完全には固められていない。

また、既に固まっている一部の要素は、巨大ファンドの主要スポンサーであるシティグループ(C)、JPモルガン・チェース(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)の狙いと相反するように見える。未解決の問題がこれだけ山積している中では、この基金がどれだけ効果を発揮するのか分からない。

巨大ファンドが抱える内部矛盾

 問題の一部は、このプランが抱える矛盾にある。

 まず、この“スーパーファンド”がSIVから買い取ろうとしているのは格付けの高い証券で、サブプライムローンに毒されていない証券が主な対象となる。ということは、SIVは不良化した証券をポートフォリオから売却できないのだ。これは言ってみれば、重傷を負った患者を、健康な臓器を移植するために生かしておくようなものだ。

 スーパーファンドへ証券を売却すれば、SIVは債務を返済するための現金を集められるかもしれないが、残ったポートフォリオの不良債権比率は上がる。そして、残った投資先の信用格付けがあまりにも低くなった場合、一部のSIVは規約に従って、資産の清算を余儀なくされるかもしれない。すると、救済プランがそもそも防ごうとしている投げ売りの引き金を引きかねないのだ。

 「SIVにしてみれば、残った資産の信用が劣化するリスクが高まることになる」と、債券調査会社クレジットサイツのアナリスト、クリスチャン・ストラック氏は言う。

 既に痛んだSIVの資産がさらに腐っていく可能性も十分ある。一部はサブプライムローン担保証券に汚染されたCDOだ。10月11日、格付け機関ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)は334億ドル相当の住宅ローン担保証券を格下げした。こうした投資商品を抱えるCDOも続いて格下げされる見通しだ。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は10月15日に、住宅ローン担保証券46億ドル相当を格下げした。「銀行側としては、問題含みの証券がそのうち市場にとって魅力的な証券になることを望んでいる」とストラック氏は言う。

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