• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

深刻な株式市場の格差問題

日本経済は完全な負け組に

  • 山崎 養世

バックナンバー

2007年10月25日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 格差が、日本社会の大きな問題になっています。一方、競争が前提のマーケットの世界では、格差があるのは当たり前です。

 でも、今の株式市場の格差には心寒くなります。世界の中で日本経済が取り残されているのがはっきり見えるからです。

 今年の世界経済の最大の問題は、米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)です。そのせいで、世界の株式市場は、8月に暴落しました。先週からも大きく下げました。

 サブプライムローンとは、優良(プライム)でないローン、つまり返済能力が低い人に貸す住宅ローンのことです。ここで大量の焦げ付きが発生しました。

 そうなると、サブプライムローン専門に貸し付けていた米国の金融機関の経営が悪化し、つぶれるところが出ました。次に、大手の銀行や証券会社に被害が飛び火しました。

 そして、損失は国境を越えました。英国やドイツ、フランスの金融機関が巨額の損失を被り、取り付けや破綻や顧客への資金の返還停止などの事態が起きました。

 サブプライムローンそのものや、それを組み入れた証券化商品やファンドを買っていたからでした。欧米でのサブプライムローン問題からの損失の合計は20兆円に達すると言われます。

日本経済は沈む米国を尻目に成長できるか?

 こうなると、米国の金融機関は、不動産関連の貸し付け全体に一気に慎重になりました。不動産の買い手が減りました。破産した借り手の不動産は売りに出されて値下がりし、やがて影響は米国の不動産全体に広がりました。欧州でも日本でも不動産関連の貸し付けが減りました。

 おかげで、米国の住宅は1970年以来の値下がりをしています。米国経済が深刻な不況に突入する危険性が指摘されています。これまでの米国の景気のかなりの部分は、不動産の上昇とそれに関連した雇用や消費に支えられてきたからです。

 収入の面では本来は家を買う余裕のない人にまで住宅ローンを貸したのが、サブプライムローンでした。そこが直撃されたわけです。

 2003年の超低金利のボトムから昨年6月まで、中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が徐々に金利を上げてきたため、サブプライムローンのような返済能力の低い借り手が真っ先に破綻してしまったのでした。消費者の購買意欲が急速に低下してきました。雇用の伸びも止まりました。

 欧州も景気後退を心配しています。米国への最大の輸出国である中国の成長にも急ブレーキがかかるのでしょうか。世界は米国発の同時不況に陥るのでしょうか。

 ところが、日本では、野村証券を除けば、金融機関は米国のサブプライムローン問題からの影響はほとんどないようでした。それなら、日本経済は沈む米国を尻目に成長を続けるのでしょうか。

上場企業の収益はかなりの部分が海外へ

 株は経済の鏡と言われます。株が企業の将来の収益を予想して動くからです。経済が悪化すれば、企業の収益は下がり、株は下がります。また、金利が上がり続ければ、株は下がるのが普通です。

 企業の借り入れコストが上がり、収益が減ると予想されるからです。では、今年の世界の株式市場はどうなっているのでしょうか。

 日本株は低調です。今年の日経平均は、先週末までに3%近いマイナスでした。新興株指数である日経ジャスダック平均はマイナス11.7%、東証マザーズ指数は18.8%マイナスでした。

 そして、日銀などの報告では、ようやく上向いてきたはずの景気も再び下降線をたどりだしています。再びゼロ成長に戻ってしまいそうです。

 日本の上場企業で業績が大きく伸びているのは、ほとんどが海外での売り上げが国内よりも多いキヤノン、ファナック、商船三井、小松製作所、三菱商事、任天堂、といった企業です。

 そうした企業の株主も外国人の比率が高くなっていますから、収益のかなりの部分は海外に流れるわけです。これに対して、新興企業の多くは国内向けの売り上げが主ですが、国内の消費は低迷しています。まして、上場していない地方の会社の経営は大変です。

コメント15件コメント/レビュー

サブプライムローンと言わず、(アメリカの限りなく不良債権に近い、住宅ローン)とかいってもらった方が、庶民にはわかりやすい。日本にも貸しすぎがあって銀行がつぶれたのは昨日のような気がする。(2007/10/25)

「山崎養世の「東奔西走」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

サブプライムローンと言わず、(アメリカの限りなく不良債権に近い、住宅ローン)とかいってもらった方が、庶民にはわかりやすい。日本にも貸しすぎがあって銀行がつぶれたのは昨日のような気がする。(2007/10/25)

全体を俯瞰すれば、サブプライムローンの仕組みは、まさに強欲システムだ。今さえよければ良い、まさに欲望をえさにしたような刹那的な金儲けと言って良い。しかも儲けは最大にリスクは最小に成るように証券化し、世界に迷惑をかけた。頭がいいのは、だからといって責任は追及されないようになっている。日本は、それに対して何をすべきか?ただ投資をしないというのはあまりにも馬鹿げている。処方箋はある。日本に最も必要なのは投資よりも、まず既得権益の破壊だ。高速道路の無料化などは当然である。今日本に必要なのはそれに加えて、大幅で大規模な減税だ。大幅というのは額。大規模というのはその期間のことだ。財源はどうするか、官僚を含めた公務員の大幅カットだ。もちろん地方も中央も一律だ。政治家ももちろん大幅削減対象だ。これも地方も中央も含む。わたしが集めた情報に依れば、民間が一人でするタスクを公ではざっと4人で遂行している。政治家に至っては、10にいれば仕事をしているのはその内の3人ぐらいだ。よって公務員と政治家を4分の1に減らす。それで浮いた分を減税する。第3セクタの大失敗を見るまでもなく、公務員に金を使わせるのはドブに金を捨てるだけだ。もちろん行財政改革などが、無意味なのは既に証明済みだ。だから、減税して民間に使ってもらう方が、遙かに効率がよいし、意味がある。こうして日本の価値をあげれば、強い活力が生まれるだろう。いでよ!、現代の織田信長。(2007/10/25)

(続)一方、山崎養世氏の高速道路無料化論における主張は、 ・日本の自動車ユーザーは、消費税も含めて現在10種類、総額9兆円あまりの税金を払っている。 ・このうち、揮発油税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税、地方道路税については法律で決めた本来の税率のほぼ倍の税金を取っている。(=暫定税率) ・暫定税率の上乗せ分だけで2兆5000億円余り。 ・(暫定税率は昭和49年から始まり延長を重ねてきたが、今年度末で期限がくる。 ・暫定税率による税収をどうするか、一般財源化する案も小泉政権で浮上したが却下。 ・福田首相はやはり道路関連に使うという方針を打ち出した。 ・一方、高速料金の毎年の収入は約2兆6000億円。 ・よって高速道路を無料化し、これまで高速道路収入から道路の維持・建設にまわされていた分を、暫定税率の上乗せ分でまかなうようにしてはどうか。 ・民営化された旧公団の借金については国が肩代わりし、国債を発行することで返済していく。借金の総額は変わらないものの、旧公団の現在の金利よりも国債の方が低く設定できるので、最終的な返済総額は減額できる。という提案だと私は理解しています。民主党からは揮発油税を環境目的税に換えたいという案が出ているようですが。(2007/10/25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

小池さんがこの言葉(排除)を述べたことで、「風」が変わっていきました。 ただし、小池さんが言ったことは正論です。

若狭 勝 前衆院議員