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インド製造業が急成長

品質と生産性を日本から学び、クラスターで力を結集

2007年10月30日(火)

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Manjeet Kripalani (BusinessWeek誌、ムンバイ支局長)
米国時間2007年10月9日更新 「How India Clusters Growth

 タミール・ナドゥ州チェンナイ市郊外の整然とした工業地帯に、輸出企業ファリーダ・グループの工場はある。

 広々とした作業場では、青い上着姿の女性と青みがかった灰色のポロシャツ姿の男性が何列にも並んで、成形機やプレス機を黙々と動かしている。各列の端には生産性と品質のチェック表が張ってある。床には作業台と機械の正確な位置を示すペンキが塗ってある。

 まるで効率的な最新の自動車部品工場のような光景だが、ここは皮革工場である。米ティンバーランド(TBL)などの一流ブランド向けに靴を製造し、輸出している。労働力の約80%は女性で、作業台に向かって手作業で靴の磨きと仕上げをする。手際よく靴紐を結んで箱に入れれば、あとは出荷を待つばかりだ。

 ファリーダは州内に4つの工場を経営している。チェンナイから100マイルほど離れた町アンブールにも同様の工場が3つある。アンブールでは4000人の従業員が2交代制で働き、作った靴は英国、ドイツ、米国に輸出される。毎日、若い男女が何台ものバスに乗って25マイル離れたアンブールに通勤してくる。

 賃金は月100ドルから。それでも、貧しい農村部に住む人には魅力的な安定収入だ。女性にとっては貴重な経済的自立の手段でもある。ファリーダの工場は、革靴の製造を強化しただけではない。「見捨てられていたも同然だったこの地域で、農村開発と女性(の社会的地位の向上)を支援し、職業訓練の場を提供している」と、ファリーダのオーナーであるラフィーク・アーマド氏は胸を張る。

“クラスター”によって地域の技能を産業化

 インドではこのような工場が集まって、“クラスター”と呼ばれる新たな製造拠点が形成されている。南部のチェンナイからメリヤス編物が盛んな北部のルディアナまで、各地に多くのクラスターが存在する。地域に伝承されてきた技能を生かし、地元の手工業的な作業場や小規模な工場を近代的な産業へと転換させようとしているのである。

 例えば、アンブール周辺には1世紀以上も前から皮革労働者が多数居住しており、そのおかげでタミール・ナドゥ州はインド皮革産業の一大拠点になっている。インドの皮革製品の年間輸出高30億ドルのうち、40~45%が同州からで、アンブールだけで総額7億5000万ドルに上る。クラスター戦略は、インド製造業を急発展させる推進力になっているのだ(BusinessWeek誌の記事を参照:2007年10月4日「Firing Up India's Factories」)。

 ファリーダはアーマド氏の祖父が50年前に興した家族経営会社である。ヒンズー教徒は牛を神聖視しているため、当時はイスラム教徒が革のなめし処理を請け負っていた。だが実際にはカースト最下層のヒンズー教徒も皮革業に従事していた。同じアンブール一帯に居住していた両者の技能が融合することで、皮革業が地場産業として発展してきたのである。

 ファリーダは一介の革なめし業者からしゃれた靴のデザイン・製造・輸出を手がける企業へと成長を遂げながら、地元で埋もれた人材の発掘に努めた。それに手を貸してくれたのが、ほかならぬチェンナイの自動車部品産業だった。

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