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プライベートエクイティの原点回帰

資金調達ままならず、買収企業の収益アップに血眼

2007年11月5日(月)

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Emily Thornton(ビジネスウィーク誌、アソシエートエディター)

2007年11月5日発行号カバーストーリー 「Perform or Perish

 ロンドン、陰鬱な水曜日の午前8時。米旅行会社トラベルポートのジェフ・クラーク最高経営責任者(CEO)は、なぜ赤字を垂れ流しているのかを各部門の責任者が説明するのを聞いている。

 彼らは様々な問題を並べ立てる。技術的なトラブル、予約の減少、マーケティング費用の増大──。1人の幹部が、黒字化は2009年になるという見通しを示す。クラーク氏の考えは違う。2008年には黒字化しなければならない。そして、強い口調で言った。

 「もっと攻めていかなければダメだ!」

 米コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナルでは最高執行責任者(COO)を務めた。トラベルポートには、2006年4月に移籍したばかりだ。そのクラーク氏が発する部下への叱咤激励の言葉は、経営者らしく振る舞うための決まり文句などではない。それは、自らが抱く“恐れ”の発露なのである。

 新しいボスは、米プライベートエクイティ投資会社ブラックストーン・グループ(BX)と米テクノロジー・クロスオーバー・ベンチャーである。彼らはクラーク氏の想定をはるかに超える成果を求めてくる。

 トラベルポートに43億ドルを投じた両社は、各事業ごとに分割して売却すれば莫大な儲けになると踏んでいる。そこまでの過程を任されたのがクラーク氏だった。今のところは、なんとかうまくいっている。だが、ちょっとしたミスでも犯したら、いったいどうなることやら。次の会議に向かう黒のセダンに乗り込みながら、クラーク氏は言う。

 「利益を上げ続けるしかない。時間との勝負だ」

搾り取っては捨てるやり方はもう通用しない

 それは、プライベートエクイティ(または買収ファンド)に雇われた世界中のCEOたち、そしてプライベートエクイティに買収された企業の何百万人もの従業員たちにとっても同じである。

 もうすぐ、新聞のビジネス欄や会社の噂話は、情け容赦のない企業分割や統合、再編成で持ち切りになるだろう。1990年代初頭のダウンサイジングの大騒ぎに匹敵する大波がやってくるのだ。ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのプライベートエクイティ・センター所長であるコリン・C・ブレイドン氏は、「(プライベートエクイティ傘下の)企業の中で徹底的な再構築が進む」と予測している。

 その理由は、楽に儲かる時は過ぎ去ってしまったからだ。プライベートエクイティは企業を買収し、現金を吸い上げた末に、売却するか株式公開するという手法によって莫大なカネを懐に収めてきた。

 しかし、7月にベア・スターンズ(BSC)の2つのヘッジファンドが破綻して、世界的な信用収縮が広がったことで、“搾り取っては捨てる”というやり方が通用する時代は突然終わった。プライベートエクイティは、巨額のレバレッジド・バイアウト(LBO、相手先資産を担保にした借り入れによる買収)を行うために必要な資金を調達できなくなってしまったのである。

 しかも、抱え込んだ巨額の借金を借り替えることもできない。そのため、債務を背負った企業の資産に手をつけることも、会社ごと誰かに売りつけることも難しくなってしまった。ある大手プライベートエクイティの最高幹部は言う。

 「(会社を身ぐるみ剥ぐなどということは)今の時勢では難しい。市場が機能停止しているのだからどうしようもない」

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