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高速道路無料化が実現しない本当の理由

民営化で状況は逆に悪化した

  • 山崎 養世

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2007年11月6日(火)

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 これまで2回、高速道路の無料化について書きましたが、反響の大きさに驚かされました。

 当然かもしれません。ほとんどの大人は運転免許を持っています。また、自動車を使わない法人はほとんどありません。国民的な問題と言っていいでしょう。

 ではなぜ、高速道路無料化が実現しないのでしょうか。それは、小泉純一郎政権時代に、道路公団民営化が決まったからです。これによって、今後45年は世界一高い通行料金を取り続けることが決まったのです。

民営化委員会でまともに議論されなかった「無料化」

 それを決めたのが、猪瀬直樹氏を中心にした道路関係四公団民営化推進委員会(民営化委員会)でした。最大野党である民主党が、2003年の政権マニフェストから高速道路無料化を唱えました。

 でも、民営化委員会は、高速道路無料化をまともに議論したことすらありませんでした。

 もちろん、猪瀬氏は、高速道路無料化に反対です。そして、今も猪瀬氏は、様々なメディアで、「タダは国を滅ぼす」として高速道路無料化への批判を展開しています。その内容はお粗末なものです。

 まず、猪瀬氏は、便利な高速道路を使う受益者は、その対価として料金を払うべきだ、と主張しています。

 事実は、日本の高速道路ユーザーは、高速道路を走る時にもガソリン税をはじめとした税金という「対価」を既に払っています。それは、自動車ユーザー全体の税金の2割もの2兆円近い額です。

高速道路ユーザーの税金が一般道路の建設に使われている

 だから、猪瀬氏が、一般道路のユーザーの税金で、高速道路無料化を実現するのはけしからん、というのもウソです。事実は逆です。

 すべての自動車ユーザーの税金は、一般道路の建設に充てられているのです。つまり、高速道路ユーザーの税金が、一般道路の建設に流用されているのです。

 こんな流用を放置しておいて、そのうえに、高速道路ユーザーから世界一高い通行料金を取っているのです。その結果、距離に応じて料金が跳ね上がる地方の高速道路を、多くの地元住民は使えません。

 また、猪瀬氏は、新幹線など、早いものはコストがかかる。だから、早く目的地に行ける高速道路の料金が高いのは当たり前、とも言います。これもおかしな理屈です。

 高速道路の建設費は既に43兆円の借金の中に含まれているからです。この借金を返せば、高速道路無料化は自動的に実現します。財源の心配はありません。高速道路ユーザーが既に払っている2兆円の税金を充てればいいからです。

新幹線と高速道路を比べることの無意味

 大体、新幹線と高速道路を比べること自体が間違いです。

 新幹線は、車両もエネルギーも運転もJRが提供します。だから、料金は高くなります。高速道路では、クルマもガソリンも運転も、提供しているのは高速道路のユーザーです。

 そして高速道路の建設コスト分は、高速道路ユーザーは税金の形で既に負担しているのです。

 「高速道路無料化はバラマキ」というのもウソです。

 これからは、欧米諸国と同じように、道路財源の税金の範囲内で高速道路も一般道路も作るべきです。そうなれば、新しい高速道路を作っても借金はできません。道路財源が足りなくなる、という心配はありません。

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