• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

恐るべし中国商人!
注目の中近東リゾート地にも進出“済み”

2007年11月9日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本社を置く衛星テレビ局「アジアビジネステレビ」(中国語「亜州商務衛星電視」)は、2007年10月12日付のニュースで、10月9日、中国企業がUAEのドバイにある有名なリゾート“The World”(以下「世界諸島」)にある「上海島」の購入契約に調印した、と報じた。

2000億円を投じた世界的なリゾート地

人工世界諸島

人工世界諸島"THE World"

 世界諸島はドバイの沖合い4キロメートルの海上に長径9キロメートル、短径6キロメートルの楕円形の防波堤を造り、その中に世界地図を模して300個以上の人工島を造成するもので、個々の島の面積は2万3000~8万4000平方メートル、島と島の間は50~100メートルの水路で隔てられ、船でないと往来はできない。この巨大プロジェクトは、ドバイのデベロッパーであるナキール(Nakheel)が総工費18億ドル(約2000億円)をかけて推進しているもので2008年完成予定である。なお、この世界諸島の正式名称はアラビア語で"OQYANA"(=Australasia:南洋州)と呼ぶらしい。

 今回「上海島」を購入したのは上海に本拠を置く「中州国際控股集団」(以下「中州国際」)という民間企業である。上海島の面積は7万4000平方メートル、建築可能面積は約4万平方メートル。東京ドームの面積が4万6755平方メートルであるから、上海島はその1.5倍強の広さと考えればよい。その上海島を中州国際が購入した金額は2800万ドル(約32億2000万円)であり、これを1平方メートル当たりの単価に直すと378ドル(約4万3500円)なので、土地の値段として考えればそれほど高い買い物ではないようにも思える。

 筆者は1978年春から1980年冬までの約2年半にわたってUAEに駐在した。前半の1年半をアブダビで過ごし、後半の1年間はドバイで過ごした。当時UAEでの生活はかなり厳しく、会社規定の単身者任期は2年間であったが、筆者は半年延長してもらったのだった。UAEは19世紀末以来英国の保護下にあったが、1971年に英国が撤退したのを契機に、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジマーン、ウンムルカイワイン、フジェイラの6首長国が連邦を結成、翌72年にラッセルハイマが加盟して7首長国からなるUAEが成立した。筆者がアブダビに着任したのは建国7年目であり、アブダビは連邦の首都としての体面を整える再開発の途上にあり、至る所でビル建設の槌音が響く、埃っぽい都市であった。

 これに対して、ドバイは英国保護下で中継貿易の基地として栄えた都市であり、古い文化と新しい文化が混在する魅力的な都市であった。都市の中央部をクリーク(=運河)が流れ、クリークがその東側の新しい町“デイラ”と西側の古い町“バール・ドバイ”を分けていた。特にバール・ドバイ側から眺めるデイラの夜景はビルのネオンがクリークに映って瞬き、あたかも香港の夜景を眺めているかのような錯覚を覚え、砂漠の国にいることを忘れさせた。デイラが香港の「九龍地区」なら、バール・ドバイは「香港島」という風情だった。クリークには“アブラ”と呼ばれる渡し舟がバール・ドバイとデイラの間を走り回り、停泊中の木造の帆船“ダウ”ではクルド人の人夫たちが様々な貨物の上げ下ろしを行っていた。

驚異的な発展をするドバイ

 筆者がドバイに駐在したのはわずか1年間に過ぎないし、それが既に30年も前のことであるにもかかわらず、いまだに記憶は鮮明で、筆者にとってドバイは日本、中国に次ぐ「第3の故郷」とも言うべき存在である。筆者の家の押入れにはドバイ駐在時代に買ったドバイの象徴である“ダウ”がプリントされたTシャツが大事にしまってある。しかし、筆者はUAE駐在から戻ってからも幾度も中東への出張を繰り返したが、5年前にトランジットでアブダビ空港で数時間を過ごした以外は、残念ながらUAE再訪の機会に恵まれていない。

 従って、筆者には現在のドバイを論ずる資格はないが、ドバイの驚異的な発展ぶりは目を見張るものがある。海岸から380メートル離れた人工島に建設された世界最高級の高層ホテル「ブルジュ・アル・アラブ」(高さ:321メートル)、上述したデベロッパーのナキールが建設した椰子の木の形をした人工島群である「パーム・アイランド」、現在建設中の160階建て、700メートル超の世界一の高層ビル「バージ・ドバイ」(ドバイ・タワー)など、どれを取ってもドバイの名を世界に轟かす壮大なスケールのものばかりである。

コメント2

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「恐るべし中国商人!
注目の中近東リゾート地にも進出“済み”」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック