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ムシャラフ大統領の危険な賭け

非常事態宣言発令、パキスタンの命運は?

2007年11月16日(金)

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Manjeet Kripalani (BusinessWeek誌インド支局長)

米国時間2007年11月5日更新 「Future Musharraf Gambles with Pakistan's

 11月3日、パキスタンのパルベズ・ムシャラフ大統領は非常事態宣言を発令した。同国の政治危機は頂点に達している。

 野党政治家、市民団体の指導者、人権問題活動家、弁護士、司法関係者、さらには軍情報機関の元長官ハミド・グル氏(過激派の支持者)までもが、容疑不明のまま逮捕、投獄された。ただし軍人は1人も含まれていない。

 「今行動を起こさなければパキスタンにとって自殺行為だ。指をくわえて見てはいられない」と、ムシャラフ大統領は国民に向けたテレビ演説で訴えた。

パキスタンは1958年に戻ってしまった

 “自殺”なのか“殺人”なのかはさておき、今回の行動でパキスタンはかつての姿――将来への希望しかない貧しい発展途上国――に逆戻りしてしまった。しかし、その前途は60年にわたる統治の混乱と日和見主義で高圧的な軍部に阻まれ、民主化へのあらゆる動きは事実上封じられている。

 「もう2008年になろうとしているのに、パキスタンは1958年(軍事クーデターで独裁政権が樹立された年)に戻ってしまった」

 パキスタンの人気ウェブサイト「pkpolitics.com(パキスタン・ポリティクス・ドットコム)」には11月4日、ナシル氏という読者から悲嘆に暮れた投稿が掲載された。

 パキスタンでは、民政が行われた時期よりも軍事政権下もしくは戒厳令下に置かれた時期の方が長い。国内外で批判にさらされているムシャラフ大統領の非常事態宣言発令を軍が支持していることから判断すると、軍司令官は政治権力を手放すつもりなどないようだ。

 ムシャラフ大統領が強硬手段に出ていることは明白だ。テロ活動の激化、最近の司法府による度重なる政治干渉の原因は、自らの9年間の穏健政治にあると大統領は言う。だがそれを口実に民主的選挙を回避するのは厚顔無恥であり、無謀極まりない。

一心同体だった軍部と過激派が分断、混乱に拍車

軍部と過激派の衝突で新たな問題が

 もしかするとパキスタン軍部は初めて、国内での自らの立場を真剣に見直さざるを得なくなっているのかもしれない。かつて国民の支持を集めていた軍は、長年の間にその輝きを失ってしまった。ムシャラフ政権の初期には軍にも“正義”が残っていた。2001年に米国と対テロ戦争で共同戦線を組み、念願の経済援助を引き出してからも、軍は容認されていた。過激派との結びつきが明白であったにもかかわらずだ。

 しかし、軍部に次いでムシャラフ大統領の中心的支持者だった過激派が米国の圧力によって軍の攻撃対象になると、この問題が表面化した。

 2006年、東パキスタンのワジリスタン地区における過激派および国際テロ組織アルカイダとの戦闘で、パキスタン軍は100人近い死者を出した。2007年には死者数は700人を超え、7月以降だけでも600人に達している(米政治リスク分析会社ユーラシア・グループ:本社ニューヨークの調べ)。

 これは由々しき事態だ。パキスタンの歩兵の25%以上が同じ部族地域の出身であり、彼らは同じ部族の人間と戦うことを嫌う。今年は数百人もの兵士が、同地域での戦闘を拒んだとして軍法会議にかけられている。軍政下では、政府による財政支援の大半がパンジャブ州に注ぎ込まれる。同州は国内で最も豊かで、大多数の新兵はここから採用される。

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