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ブッシュが言う「第3次世界大戦」に惑わされてはならない

2007年11月20日(火)

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 中東情勢がめまぐるしく動いており、「米国とイランの戦争が近い」との見方がまたしても強まっている。

 ブッシュ米大統領は「第3次世界大戦を回避したいなら、イランが核兵器製造に必要な知識を得ることを阻止すべきだ」と記者会見で語り、チェイニー米副大統領は、「イランの核開発を許さない」と改めて強い口調でイランを非難した。また10月25日には、ブッシュ政権が、イラン革命防衛隊を大量破壊兵器の拡散に関わる組織と指定し、米企業・個人との取引を禁止する経済制裁を発動することを発表。米国は1979年の米大使館人質占拠事件以来最も強硬な対イラン制裁措置を発動した。「米国民の過半数はイランに対する空爆を支持している」という世論調査結果も発表され、ブッシュ政権が軍事オプションの発動に向けてイランに対する圧力を強めている、というニュアンスの解説も多く見られる。

 これまで本連載では、「激しさを増す言葉の戦争のレトリックに惑わされることなく、現実に行われている各国の外交をしっかりと見極めるべきである。米国とイランは一直線に衝突コースを突き進んでいるわけではない」ことを繰り返し主張し、「米・イラン戦争近し」の見方とは一線を画してきた。

 ブッシュ外交はもはや対イラン強硬一辺倒のネオコン路線とは決別し、ライス・ゲーツを中心とする伝統的な現実主義路線へと転換を遂げているからである。ゲーツ国防長官は今年初頭に、「もし米国がイランに対する十分なテコを取り戻し十分な影響力を持ち直したら、イランとの間の交渉にも意味が出てくる」という考えを明らかにしており、「ブッシュ政権がイランに対する圧力を強めるのは、外交交渉力をアップさせて強い立場でイランとの交渉に臨むためだ」との基本戦略の一端を垣間見せている。

 この基本戦略を念頭に、米・イラン関係をめぐる激しい外交戦の裏を分析していこう。

イスラエルのシリア空爆で見せたブッシュ政権の現実主義

 このブッシュ政権の立場は対シリア政策に明確に表れていた。9月6日にイスラエルがシリア領内の「あるターゲット」を空爆した事件はまだ記憶に新しい。イスラエル、シリア両政府共にこの事実自体は認めているものの、詳細を一切明らかにしていない奇妙な事件である。米メディアは「空爆されたのは北朝鮮製の原子炉である」と報じており、多くの専門家は、イスラエルが何らかの核関連施設を破壊したという説を信じている。

 元CIA(米中央情報局)の中東情勢分析官であるレイ・クローズはこの事件に関して、「イスラエルは米国に対して共同作戦を提案したがブッシュ政権に断られたため単独攻撃に踏み切った」との興味深い分析を披露している。また10月19日の米ABC放送も、「イスラエルはブッシュ政権に対してこのシリアの核施設の破壊を要請したが、米政府は拒否した」と同様の見方を紹介している。

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「ブッシュが言う「第3次世界大戦」に惑わされてはならない」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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