Olga Kharif (BusinessWeek.com記者、オレゴン州ポートランド)
Jennifer L. Schenker (パリ)
米国時間2007年11月6日更新 「Google's New Cell-Phone Universe」
携帯電話の開発にはコストと時間がかかる。電話の心臓部となるチップ、部品を収める筐体、様々な機能を提供するソフトウエア――。それぞれの開発に世界中の企業が何十年も取り組んでいるが、次々に新しい課題が持ち上がってくる。
そこで開発の迅速化に向けて立ち上がったのが、世界最大の検索エンジンを運営する米グーグル(GOOG)だ。同社は11月5日、34社で構成する団体「オープン ハンドセット アライアンス(OHA)」の設立を発表した。
OHAでは、携帯電話に必要なすべてを網羅した無償のソフトウエアパッケージを開発していく。この中には、リナックスベースのオープンソースOS(基本ソフト)やウェブブラウザーのほか、地図、電子メール、動画共有・再生ツールなど数々のアプリケーションが含まれる。
OHAにはIT(情報技術)業界の大手企業が複数参加している。半導体メーカーの米インテル(INTC)、米クアルコム(QCOM)、端末メーカーの米モトローラ(MOT)、無線通信事業者の米ティーモバイル、米スプリント・ネクステル(S)、電子商取引サービスの米イーベイ(EBAY)などだ。
「Gphone(ジーフォン)」ではなく「Android(アンドロイド)」
新プラットフォームの名称は、大方が予想した「Gphone(ジーフォン=グーグル電話)」ではなく、人造人間を意味する「Android(アンドロイド)」だ。グーグルが2005年に買収したソフトウエア会社の名前に由来する。
開発に貢献できるのはOHA参加企業に限らない。その名の“オープン”という単語が示す通り、OHAに参加していなくとも、提供される開発キットを使えば、アンドロイドベースの携帯電話向けの携帯ソフトウエアやサービスを開発できる。グーグルはそうしたサードパーティー製ソフトウエアをオンラインストア経由で販売していく。
OHAの誕生は、携帯電話の開発方法が180度転換したことを意味する(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年10月29日「Apple, Google vs. Big Wireless」)。携帯電話事業者や端末メーカーは携帯端末の設計において徐々に主導権を失い、代わってサードパーティーの開発業者が世界全体で何十億にも達する携帯電話ユーザー向けソフトウエア市場で優位に立ちつつある。
「(OHAの登場により)開発業者にとってまたとない大変革期が到来した」と、米コンサルタント会社エンビジョニアリング・グループのディレクター、リチャード・ドハーティ氏は言う。
マイクロソフト、シンビアンに立ち向かう
新たな携帯電話向けOS開発への取り組みは、グーグルが初めてというわけではない。米マイクロソフト(MSFT)は携帯電話向けに様々なタイプのウィンドウズOSを作っている。フィンランドのノキア(NOK)は携帯電話向けOS「Symbian(シンビアン)」を開発する合弁会社、英シンビアンを通じて競争に参加している。またリナックスベースの携帯電話向けOSは少なくとも22種類ある。OHAはマイクロソフトとシンビアンに立ち向かうことになる。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



Bloomberg Businessweekは米ブルームバーグ社が発行するビジネス雑誌である。1929年、大恐慌の年に創刊されて以来、世界中に読者を拡大してきた。現在の読者数は約470万人を誇る。本コラムではBloomberg Businessweek誌および






