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中国のアブナイ環境~唯一の内海が“死の海”に

2007年11月30日(金)

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 2007年8月24日、国営通信社「新華社」発行の新聞「新華毎日電訊」は「渤海は“中毒”で、間もなく“死の海”となる、救助を」という記事を掲載し、次のような驚くべき数字を示して読者を暗澹たる気持ちにさせた。

この海は間もなく、死の海になります

[1] 渤海に注ぐ排水口の9割が環境基準を超えた汚水を排出しており、年間の汚水量は40億トンを超え、海面の深刻な汚染は4年間に2倍近く増大した。
[2] 2002年から2006年の5年間に、天津管轄の3000平方キロメートルの海域で発生した赤潮被害面積は、それぞれ10平方キロメートル、100平方キロメートル、720平方キロメートル、750平方キロメートル、860平方キロメートルと増大の一途をたどっている。
[3] 国家海洋局の『2006年中国海洋環境品質報告』は、渤海で“クリーン基準”に達していない汚染海域の面積は2万平方キロメートルに及び、渤海総面積の26%を占め、中国の4つの海(渤海、黄海、東海、南海)の中で汚染海域の比率が最も高い。
[4] 渤海では現在一定規模の群れを形成する魚類、貝類、カニ類は全くおらず、産卵場所は100%汚染されている。このため、過去20年間に30種以上の生物が減少し、かつて豊富に獲れた車エビ、黄花魚(=キグチ)、マナガツオ、鳳尾魚(=エツ)、ボラなども絶滅あるいは危機に瀕している。
[5] 専門家は、「もし今すぐに果敢な措置を取らねば、渤海は10年後には“死の海”と化す」と悲痛な叫び声を上げている。

 “渤海”は中国北部の遼東半島と山東半島に囲まれた中国で唯一の内海で、その海域面積は約7万8000平方キロメートル、長さは280キロメートル、海岸線の総延長は3784キロメートルであり、水深は平均25メートルで日本の瀬戸内海(31メートル)よりも浅い。渤海には北に遼東湾、西に渤海湾、南に莱州湾と3つの湾があり、沿岸には遼東半島の先端に大連市、渤海湾に面した天津市、山東半島北部の煙台市などの大・中都市が点在している。

 中国政府は東北地区の振興(=“東北振興”)や西北地区の活性化を図るべく天津市を中心とする渤海湾地域を“環渤海湾経済圏”と位置づけ、天津市の渤海湾沿いに総面積2270平方キロメートル(上海浦東開発区の4.3倍)に及ぶ“天津濱海新区”を建設している。天津濱海新区には既に2000社以上の外資系企業が進出しており、現在進行中の「第11次5カ年長期計画」(2006~2010年)を通じて中国経済における発言力をさらに強めることは確実である。

 しかし、こうした還渤海湾経済圏の振興とは裏腹に、上述のごとく渤海湾を含む渤海の汚染はその深刻さを日々増大し続けているのが実情である。衛星写真で見る渤海は海域の大部分が薄茶色に染まり、環境汚染の深刻さを想像させるのに十分だが、その実態はどうなのか。

コメント20件コメント/レビュー

愚かですよね。世界の工場になったときから世界中の汚染を集めてきたと気づかなかったのか?いまさら中央政府は管理を強化して重度汚染企業を強制封鎖など強攻策を打ち出していますが、氷山の一角を崩したに過ぎません。まだまだ汚染がひどくなるでしょう。地方政府は産業保護のために中央の政策に従わないし、中国のメーカー自体、技術がなくほとんど安い労働力を売りにして生産を行っています。技術を持つ国は産業空洞化するし、かといって金を寄こさないと技術をだしたからないし、技術のない国は労働力が安いので生産が増えるし、汚染をとめられる能力がない。どうすりゃ~いいんですかね…在日15年中国人(2007/12/06)

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「中国のアブナイ環境~唯一の内海が“死の海”に」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

愚かですよね。世界の工場になったときから世界中の汚染を集めてきたと気づかなかったのか?いまさら中央政府は管理を強化して重度汚染企業を強制封鎖など強攻策を打ち出していますが、氷山の一角を崩したに過ぎません。まだまだ汚染がひどくなるでしょう。地方政府は産業保護のために中央の政策に従わないし、中国のメーカー自体、技術がなくほとんど安い労働力を売りにして生産を行っています。技術を持つ国は産業空洞化するし、かといって金を寄こさないと技術をだしたからないし、技術のない国は労働力が安いので生産が増えるし、汚染をとめられる能力がない。どうすりゃ~いいんですかね…在日15年中国人(2007/12/06)

日本がやるべきこと。それは無料で技術を提供することではない。彼らに無償で何かを提供しても為政者の手柄となり、その為政者はこれからも愛国(往々にして反日)教育を続けるのです。きちんとした対価を支払ってもらって、そのうえで技術を提供すればいいのです。レアメタルの輸出制限の撤廃を日本だけに認めさせる、っていうのもいいでしょう。彼らは無料無償で我々に手を差し伸べることはありません。それを肝に銘じるべきでしょう。(2007/12/02)

こういう記事の結論としては、だから日本は環境技術を中国に提供すべしということになるのでしょう・・・と思っていたら先日、政府が環境技術の供与で中国政府と合意したというニュースを見ました。自民党にとっては対中円借款の代わりになる新たなる利権を獲得したということです。まあ今さら日本の政治家に何も期待はしてませんが、環境問題について言うなら中国人のモノの考え方と国の成り立ちからして小手先の対応をしても無駄だと思います。最も効果があるのは、中国で起こっている環境汚染を国際社会に執拗に訴えかけ、共産党の指導者を本気にさせ、この問題に対処するための強権を発動させることです。(2007/12/02)

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