Catherine Holahan (BusinessWeek.com記者、ニューヨーク)
米国時間2007年11月6日更新 「Jerry Yang on the Hot Seat」
中国人ジャーナリスト、師濤氏(シー・タオ)氏は、ある電子メールの内容のために、この2年間、中国の刑務所で服役している。11月6日、米ヤフー(YHOO)の共同創業者でCEO(最高経営責任者)のジェリー・ヤン氏は、この件にヤフーがどのように関与したのかについて議会で証言した。
ヤン氏を証人喚問したのは下院外交委員会である。中国当局が師濤氏の電子メール情報の提供を要求してきた時、どのような理由を挙げていたのかについて説明を求めた。
1989年の天安門事件から15年の節目を迎える際、それに関する報道を制限する中国政府の方針について師濤氏は電子メールでやり取りしていた。ヤフーはその電子メール情報を、中国当局に提出していたのである。師濤氏は、2005年に国家機密漏洩罪で有罪判決を受け、禁固10年の刑に服している。
電子メール情報を中国政府に提供、痛烈な批判を浴びる
ヤン氏はこのヤフーの情報提供問題で、痛烈な批判にさらされている。下院委員会は、中国政府によるインターネット利用規制に従っている米国企業に関する公聴会で偽証したとして、既にヤフーの法律顧問であるマイケル・キャラハン氏を告訴している。
「知らないということと、知らないふりをしていることは、全く違う。中国の現地社員が何をやっていたのかについて見て見ぬふりをしようという基本的合意のもとで、ヤフーの企業風土が形成されたのではないか。この公聴会でその点をはっきりさせたい」。クリストファー・スミス下院議員(共和党、ニュージャージー州選出)はそう語った。
公聴会では第1に、米国外で事業を展開するに当たってグーグル(GOOG)、ヤフー、マイクロソフト(MSFT)などの米国インターネット企業が迫られる厄介な妥協について追究した。急成長する海外市場へのアクセスを得るためには現地の法令に従うことが求められるが、言論の自由と普遍的な人権擁護に関する米国の法と規範に反する恐れがある。
例えば、グーグルは個人情報の提供については拒否しているが、中国政府がグーグルのウェブサイトへのアクセスを妨害するや、ウェブ検索結果の検閲を始めた。グーグルは現在、検閲済みの検索結果を提供することで中国国内でうまく事業を展開している(BusinessWeek.comの記事を参照:2006年11月1日「Google: Still Trying to Click in China」。
11月6日の証人喚問で、ヤン氏は新興市場で事業を拡大する際に、ヤフーをはじめとするインターネット企業が直面する課題について詳しく述べた。「情報へのアクセスが増えることで成り立っているインターネット企業にとって、こうした市場は大きな魅力である。だが同時に、表現の自由とプライバシー保護の面では課題も少なくない」。
“知った時点で報告しなかったこと”を謝罪
課題がどれだけ多いかは、本件に対するヤフーの初期対応が物語っている。2006年2月、キャラハン氏は「ヤフーは中国当局がなぜ師濤氏に関する情報をほしがっているのか知らなかった」と証言した。だが、その数カ月後、中国で宗教的、政治的な罪を問われて投獄されている人たちを支援している米国の団体が、当時中国当局からヤフーに送られた文書を翻訳して発表した。そこには、師濤氏に国家機密漏洩の嫌疑がかけられていることが書かれていた。
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