Catherine Holahan (BusinessWeek.comライター、ニューヨーク)
米国時間2007年11月19日更新 「Can Amazon Kindle Digital Book Fever?」
米アマゾン・ドット・コム(AMZN)のジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)にとって、書籍はしぶとく生き残っている“アナログ時代の遺物”だ。
音楽などのほかの媒体は、米アップル(AAPL)の「iPod(アイポッド)」のようなデジタル機器経由で簡単に手に入るようになった。しかし、書籍は何百年もの間、表紙でペラペラの紙を綴じる形態を頑なに守り通してきた。
「書籍はなぜ、アナログ最後の砦になっているのか。書籍は高度に進化し、最高のカタチを究めた。その先に何があるのか。どうすれば、壁を突破できるのか」
ベゾス氏は11月19日の記者会見で問いかけ、その答えとして携帯型の電子書籍端末「Kindle(キンドル)」を掲げた。書籍のデジタル時代を切り開こうと意欲満々だ。ニューヨーク、ユニオンスクエアのWホテルで発表されたキンドルの小売価格は399ドル、大きさはペーパーバックほどで、約200冊の書籍を保存できる。バックライト付き液晶ディスプレーに表示されるページは、紙の書籍のイメージにかなり近い。
キンドルはいわば“持ち運びできる書斎”であり、“書店”でもある。米スプリント・ネクステル(S)の高速携帯電話ネットワークを介してインターネットに接続し、ほぼ1分以内に1冊の書籍をダウンロードできる。総タイトル数は約9万冊、1冊約10ドルで購入でき、接続料や購読料はかからない。
電子書籍市場の先駆者となるか
アマゾンはキンドルの開発に約3年を費やした。使いやすい製品を作ることで、従来の書籍に対抗するだけでなく、スマートフォンなどインターネット接続が可能なモバイル機器で新聞記事を読んでいるようなユーザーの獲得も狙う。
キンドルはオンライン百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」に簡単にアクセスできるほか、一般のウェブサイトも閲覧できるようにブラウザーも搭載している。ただし表示はモノクロで、ウェブ閲覧機能はあくまで“おまけ”である。「キンドルは読書のための専用端末だ」と、アマゾンの世界電子メディア部門担当上級副社長、スティーブ・ケッセル氏は言う。
アマゾンの目標は高く、いまだ黎明期にある電子書籍市場を一気に拡大することを目指している(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年9月3日「Making Digital Books Into Page Turners」)。この分野で注目を集めたのはソニー(SNE)の電子書籍端末「Sony Reader(ソニーリーダー)」くらいにとどまっている。同端末のオンライン小売店での販売価格は300〜400ドルだ。
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