• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

レジャー超大国、中国(6)
~噂の中国版「はやて」に乗車!

上海人の最新旅行シーンは「地球の歩き方」式

  • 中村 正人

バックナンバー

2007年12月10日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回から読む)

 これまで中国のレジャーシーンを通して、いまの中国人たちがいかに旅行に出かけたがっているか、見てきた。新華社のネット調査によると、今年の「五一黄金周」(メーデー休暇)期間中、中国国内で最も人気の旅先は上海、北京、杭州だった(以下、成都、香港、深セン、青島、南京、西安、大連の順)。本連載でも上海に押し寄せる地方からの旅行者について書いたが、今度はいよいよ中国消費シーンをリードする上海人自身がどんな旅行をしているのか追いかけてみよう。

 そこで、国内人気都市第3位にランキングされている杭州を取り上げたい。今年上半期の旅行・レジャー分野におけるトピックスのひとつ、上海から杭州と南京、広州から深センなど各地で新型高速列車が走り出したからだ。

新型高速列車「CRH2型」の前では相変わらずの記念撮影

新型高速列車「CRH2型」の前では相変わらずの記念撮影

 5月下旬、噂の高速列車に乗った。川崎重工業ら日本企業連合と中国メーカーが東北新幹線「はやて」をベースに共同で製造した新型車両「CRH2型」で、通称「子弾頭(弾丸)」。特急「和諧号」に使用されている。噂というのは、営業開始当初、乗客のマナーの悪さや車内備品の盗難事件等が多発していると日本でも報道されていたこと。そのうえ、中国鉄道省は「中国が知的財産権を所有する国産列車」と堂々アピールしているとか。どうして中国のお役人というのは、ミエミエの子供だましを平気でいうのだろう。そんなことが気になっていた。

 地元上海の知人ら数人と日帰り杭州旅行に行くことにした。前日にネットで調べたら、高速列車は1日3本しか往復していないとわかった。朝一番は7時45分発。早起きして上海南駅でチケットを買うことにした。

上海南駅は2006年新しく生まれ変わった

上海南駅は2006年新しく生まれ変わった

 上海南駅は国際空港のような巨大ドームだった。電光掲示板に発着する列車の時刻表が刻々と映し出されている。

 チケット売り場の列に並んだが、売り切れだった。さあ困った。乗りたいのは、新型車両である。次の発車は11時だから、日帰りは難しい。

 頭を抱えていたところ、地元上海人のひとりが奥の手を思いついた。旅行会社の窓口に行き、杭州行きツアーの市内バス観光付き乗車チケットを見つけてくれたのだ。バス代20元は使わず捨てるとしても、わずか片道70元(1元15円として、1050円)。新型高速鉄道は特急だが、旧型の特急と同一料金の50元(同、750円)だった。いまだに中国の公共交通機関は驚きの安さなのである。

車内は日本の「はやて」と、素人目にはまったく変わらない

車内は日本の「はやて」と、素人目にはまったく変わらない

 新型車両「CRH2型」の見かけは「はやて」のまんまだった。鉄道マニアの友人によると、従来の中国鉄道車両との違いとして見るべきは食堂車。そして車両の座席が走行方向に合わせて回転できるところだそう。欧米製の車両では回転できない。プラットホームの高さを乗降口のステップに合わせたバリアフリー仕様の設計は中国初だとも。彼に言わせると、中国側が自国民向けに国産車両だとアピールするかどうかという問題より、日本の先端技術の流出が気がかりだという。鉄道マニアというのはずいぶん愛国的なのだなあ。

乗車時間はわずか1時間半なので食堂車では軽食しか出ない

乗車時間はわずか1時間半なので食堂車では軽食しか出ない

 日本の新幹線を特段の思いもなく利用しているぼくには、食堂車も日本のまんまであり、座席の回転も当たり前のことなので、「ふうん」という感じだった。むしろ、上海南駅のやたらと高い吹き抜けの天井のほうが驚いた。あまりに現代的なので、中国国内旅行のイメージが一新された。

 列車が走り出すと、ひとまず噂の検証に向かうことにした。緊急脱出用のハンマーやトイレの温度調節用つまみ、手洗いの自動蛇口などが盗難に遭ったという報道の、である。日本じゃ考えられないことも普通に起こるこの国のことだから……。でも、そんな悪さの跡は見つからなかった。

 座席に戻り、前席のポケットに入っている「旅客乗車指南(Passenger Service Guidance)」を開いてみた。そこには、車両内の座席やトイレ(ボタン式の水流システムや緊急用ボタンなど)の使い方が説明されていた。その詳細さは、中国の航空会社の機内案内パンフレット以上のもの。こんなに詳しく説明されると余計に初乗車の興奮が高まり、記念にこっそり備品を持ち帰ったり、イタズラで緊急用ボタンを押しちゃう輩が続出したのでは、と思うのだった。

コメント5件コメント/レビュー

日本の終戦直後には金片ドロボーが横行し、水道の蛇口がもぎとられた光景を想い出すが、今の中国の状態はそんな状態だとは云わないが、日本人がやたらと偉そうなことを云っても始まらない。民衆の全てが紳士淑女などになることはあり得ないし、もしそうなったとしたら、それはとんでもない専制独裁国だろう。(2007/12/12)

「2007→2010 上海マーケティングツアー 」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本の終戦直後には金片ドロボーが横行し、水道の蛇口がもぎとられた光景を想い出すが、今の中国の状態はそんな状態だとは云わないが、日本人がやたらと偉そうなことを云っても始まらない。民衆の全てが紳士淑女などになることはあり得ないし、もしそうなったとしたら、それはとんでもない専制独裁国だろう。(2007/12/12)

中国版新幹線ですが、上海地区では上海ー南京間が主で運行されています。この区間では毎日20往復以上はこのCRH2が運転されています。これらの特急ですが決して安くは有りません、確かに日本の感覚からすると非常に安いですが中国では中高級クラスの人たちからすれば高速化は見合う物ですが、中国で経済を支えている所謂民工と呼ばれている方たちが存在するから今の中国が発展してきていると思います。これら民工の方たちは給料も最低クラスであり最低賃金が1000元以下からするととても高い値段なのです。 民工は地方から出稼ぎ者が多いですから彼らの移動手段は安価な鉄道です。所謂特急では無く普通快速なのです。これらは緑皮車と呼ばれ空調も有りません。 これらは新幹線のあおりで減便、時間の遅延が多いのです。多くの庶民からすると高い乗り物です。(2007/12/10)

ここ4年で3回中国を仕事、芸術ツアーを米国からしました。このシリーズを読んで、全く共感を憶えます。30年米国にいて日本と比べられませんが、人々内でのたいへん、醜い関係が表面上でよく見られストレスがたまって、これからが大変だなと、心配しています。それと上海と北京の空気の悪さがだんだんひどくなっているです。(2007/12/10)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長