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レジャー超大国、中国(7)
~上海に較べれば「東京ホテル戦争」なんて局地戦

リュクスな富裕層は、チャイナスタイル外資系がお好き

  • 中村 正人

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2007年12月17日(月)

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 世界の外資系ホテルが上海に続々と進出している。北京オリンピックや2010年の上海万博をにらんでの動きだが、上海は数、規模ともに北京を凌ぐ勢いである。

 今年の目玉は、ハイアットホテルズアンドリゾーツが上海2軒目として、戦前日本領事館のあった外灘北に開業した「ハイアットオンザバンド(631室)」だろう。2008年完成予定の森ビルが建設を進める上海環球金融中心(101階建て)の79~93階には、北京に次いで中国2軒目となる「パークハイアット上海(174室)」が開業する予定。どちらも業界では「ラグジュアリーホテル」と呼ばれる超高級都市型宿泊施設である。

 大都市にはさまざまなクラスやタイプのホテルがあるものだが、今回はまずラグジュアリーホテルに的を絞り、その世界から見える上海を捉えてみたい。

 東京でも2003年頃から外資系ホテルが相次いで開業した。既存のホテルとの競争が激化することから「東京ホテル戦争」などと名づけられ、ビジネス誌を中心にマスコミをにぎわせたものだ。だが、そんな騒ぎも上海と比べたら霞んでしまう。地図をご覧いただきたい。東京と上海の物価水準を考慮に入れ、スタンダードクラスで1泊2000元(約3万円)以上のホテルというふるいをかけても、すでに上海ではこれだけの数がひしめいている。

上海の主なラグジュアリーホテル

 破竹の勢いに見える上海の超高級ホテルシーン。でも、現地での評判はどうなのか。実際のサービスの水準は? 見かけ倒しが多い中国のことだから、いくら超モダンな施設を見せられても安心はできない。この目で中身を確かめてみないことには――と話を進める前に、まず上海を代表するラグジュアリーホテルがどこなのかという説明が必要だ。

 東京の場合、「ザ・ペニンシュラ」や「ザ・リッツ・カールトン」といった外資系に客室単価で後塵を拝しても、やはり帝国、オークラ、ニューオータニの「御三家」が顔といえる。上海でも中国ローカルの経営という意味では、外灘に面した「和平飯店」や、田中角栄前首相も泊まったという「錦江飯店」などの中国系クラシックホテルが挙がるだろう。

中国富裕層はローカルに冷たい

 ところが、中国富裕層が選ぶホテルランキングで上位を占めるのは、すべて外資系のホテルなのだ。日本の同様のアンケートでは「帝国ホテル」や「ホテルオークラ」もランキングに食い込むが、中国では国内系のホテルの支持がまったく集まらない。

 中国富裕層向け雑誌「胡潤百富」2007年1月号によると、読者の人気ホテルブランドのランキングは、1位シャングリ・ラ、2位ハイアットリージェンシー、3位グランドハイアット、4位ヒルトン、5位シェラトンの順。欧米系の強豪ブランド群が上位を占めている。けれどもトップの座を射止めているのは外資系でもアジア系。より具体的には華僑系新興ブランドのシャングリ・ラだ。

浦東シャングリ・ラ上海の開業は1998年8月。当時浦東には東方明珠電視塔以外、高層ビルは建っていなかった

浦東シャングリ・ラ上海の開業は1998年8月。当時浦東には東方明珠電視塔以外、高層ビルは建っていなかった

 上海においても、「浦東シャングリ・ラ上海」の存在感は抜群だ。なんたって立地がいい。中国近未来のメトロポリス、浦東地区のラグジュアリーホテルのなかでも黄浦江、しかも租界建築の並ぶ外灘に直接面した絶好のロケーションにあるのは、ココだけだ。この超一等地での開業は1998年。他の競合外資がいくらカネを積んでも、こんなパノラマビューは真似できまい。

 まるでゲストのような書きっぷりだが、そう、ぼくも泊まってみたのだ。過日、縁あって、浦東シャングリ・ラ上海新館のエグゼクティブフロアに宿泊した。

 客室のベッドの脇にある隠しボタンを押すと、静かな音を立てカーテンが左右に開く。全面ガラス張りの窓の外には、黄浦江と外灘の夜景が一望できる。租界建築の一つひとつがライトアップされ、川沿いに連なって浮かんでいる。

客室からの夜景はライトアップした外灘の租界建築が望める

客室からの夜景はライトアップした外灘の租界建築が望める

 ソファに腰掛けると、目の前に外灘のレトロな石造り建築群。右手すぐそばには東方明珠電視塔のまばゆい輝き。向かって左(南方面)には伝統的な上海の下町が残る豫園周辺の明かりも見えた。背後にビルのネオンがはるか彼方まで広がっていた。ふーむ、これがラグジュアリー感ってものなのだなあ……。

 普段の上海でのぼくは、外灘から浦東のネオンを眺めることが多い。が、こうして浦東から外灘を眺めると、ずいぶん印象が違う。外灘から浦東を眺めるときには、上海の「未来」を見上げるのに対し、こちらからだと上海の「過去」を高みから見下ろすことになるからだ。

謎のチャイナドレススタッフ

 すべての客室には、外灘の租界建築の来歴(そこには横浜正金銀行や日清汽船など日本のビルも含まれる)を解説する小冊子が置かれており、ゲストは当時の歴史について実物を眺めながら知ることができる。ぼくら外国人は所詮傍観者だが、このホテルに宿泊する中国の要人や新興企業家たちは、どんな思いでそれを見つめるのか。おそらく眼下の絶景は、自らが21世紀の世界の主役たることを強く確信させるのだろう。これほど彼らの自尊心をくすぐる劇的な舞台装置はないのでは?

 浦東シャングリ・ラ上海は、950の客室、レストランやバーなど12の飲食施設、上海最大6500平方メートルのバンケットルーム(宴会場)を有する。欧米系のような鳴り物入りの派手さはなくても、てきぱきとしたチェックインサービスや客室の付帯設備など基本的に文句なし。国際会議などのコンベンションによく使われているそうだが、ココが上海を代表するラグジュアリーホテルだといわれてもナルホドという印象だ。

 ただし、これは市内の外資系ホテルとの共通事項なのだけど、館内の至るところに長身のチャイナドレス姿の女性スタッフがいる。“お人形さん”みたいな彼女らの存在が男性の目にはどうしても気になってしまう。なかにはアンドロイドのように均整のとれたスタイルの女性もいる。少なくとも日本の高級ホテルでは考えにくい“モデル”人材の起用は、中国ならではだ(彼女たちについては後述する)。

 それにしても、こうした特別なロケーションを唯一、浦東シャングリ・ラ上海だけがなぜ確保できたのか。当然、相応の理由がある。

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