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中国のアブナイ環境(その3)~中央政府と地方の対立が“汚染”を招く

2007年12月14日(金)

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 2006年3月に開催された中国の第10期全国人民代表大会第4次会議は「第11次5ヵ年長期計画」(2006~2010年)を可決したが、同計画には2010年までに絶対達成すべき義務目標として環境保護関連では次の2点が設定されていた。

[1] 国内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費量(標準炭換算)を2005年比で20%削減する。
[2] 主な汚染物排出量を2005年比で10%削減する。

 従い、上記目標を達成するには、5年間で前者は年平均4%削減、後者は年平均2%の削減が必要ということになる。

2006年は目標未達で終わる

 ところが、その初年度に当たる2006年は年平均の削減目標未達という結果に終わった。すなわち、GDP当りのエネルギー消費量は2005年比でわずか1.3%減にとどまり、目標の4%には遠く及ばなかったし、主な汚染物排出量の方は、二酸化硫黄(=SO2)の排出量<2594.4万トン>が2005年比1.8%増、COD(=化学的酸素要求量)の排出量<1431.3万トン>が2005年比1.2%増となり、2%の削減どころか、逆に増加したのである。

 この理由を、エネルギー消費量を主管する国家統計局は、“エネルギー多消費型産業の伸びが大きいのみならず、電力消費の増大もこれに輪をかけた”と釈明した。

 一方、汚染排出量を主管する国家環境保護総局は、“主な汚染物排出量10%削減の義務目標は、GDPの年平均成長率を7.5%と見込んで定められたが、2006年のGDP実質成長率は見込みより3.2ポイント高く、汚染物排出量もそれに伴って増加した。ただし、2005年の伸びと比べて、2006年のSO2とCODの排出量の伸びはそれぞれ11.3と4.4ポイント下がった”と弁明した。

“グリーンオリンピック”はどうなる?

 「第10次5カ年計画」(2001~2005年)においても、環境保護計画目標は設定されたが、SO2排出量は2000年比で10%削減目標に対して27.8%増加、COD排出量は2000年比で10%削減目標に対して2.1%減少となり、その結果は目標達成には遥かに遠いものであった。

 こうした背景の下、「第11次5カ年長期計画」では何が何でも目標達成を目指していた中国政府にとって、初年度の年間目標未達は大きな衝撃であるだけでなく、2008年に北京オリンピックを控えて、“グリーンオリンピック”を標榜する建前からも、国家としての体面の問題でもあった。

 

コメント6件コメント/レビュー

海外のプロジェクトに応札し、技術料として3億円の見積書を書いた。同じ技術を中国に対して無償技術援助と言うことでお国から要請され、無償で応じた。お上に対する対応なので仕方が無いとして、応じた経営者の技術に対する価値観も問題だが、平気で要求するお上も問題である。今後、環境技術に関してきちんと技術料の見返りを確保して欲しい。環境の被害が海を渡って自分に降りかかると言っても絶対に安売りをしてはいけない。低利融資などを使うなど、うまくやって欲しい。(2007/12/16)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「中国のアブナイ環境(その3)~中央政府と地方の対立が“汚染”を招く」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

海外のプロジェクトに応札し、技術料として3億円の見積書を書いた。同じ技術を中国に対して無償技術援助と言うことでお国から要請され、無償で応じた。お上に対する対応なので仕方が無いとして、応じた経営者の技術に対する価値観も問題だが、平気で要求するお上も問題である。今後、環境技術に関してきちんと技術料の見返りを確保して欲しい。環境の被害が海を渡って自分に降りかかると言っても絶対に安売りをしてはいけない。低利融資などを使うなど、うまくやって欲しい。(2007/12/16)

中国は日本の50年前とは全然違う。公害や公害対策など日本等が既に経験している事を追っかける立場なので既に問題があることや答えを知っていてやっているからだ。言わば故意。今回の趣旨とは少しずれるが、日本には資源が水と石灰位しか無いのではないかと思うが中国にはレアメタルもあるし、広い土地がある。知財で金を取る時代なので、「環境や省エネのノウハウをむやみに無償や廉価で中国へ供与すべきではない」には心から同意する。日本が食っていく為にも大事な事だからだ。日本も被害を受ける事を盾にし、過去の戦争責任を蒸し返して半ば脅迫の形で崩される可能性が高いのが心配だ。(2007/12/14)

中国での日本企業のビジネス展開を見ていると、あまりにも無知で国際経験の無さが目に付く。世界的に見ると明らかに例外的である日本での常識を物事の判断基準に据えて、中国という異国でのビジネスを遂行する場合の判断基準は何かをきちんと検討した上で対していないのが気になります。その意味でこの北村さんのレポートはさすがに中国を良く知った上で書いています。中国で実際のビジネスを経験している身としては大変賛同できます。(2007/12/14)

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