Ian Rowley (BusinessWeek誌、東京支局特派員)
米国時間2007年12月5日更新 「Suzuki Chief Rips Rival's India Plans」
12月5日、日本外国特派員協会の昼食講演(東京)で、スズキの鈴木修会長(77歳)は上機嫌だった。
高齢にもかかわらず、いつものように茶目っ気たっぷりの返答が続いた。(筆者を含む)記者団に「ご助言をありがとう」と皮肉をチクリ。スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディアの新社長に任命された中西眞三氏に対しては、「急拡大するインドの自動車市場で、シェア50%以下など考えられない」と檄を飛ばした。さらに「今後10年もスズキを率いていく」と意気盛んに語った。
「エアバッグやシートベルトは標準装備なのか」
何より興味深かったのは、他社がインド市場に投入しようとしている“3000ドル車”に対し、鈴木会長が慎重な見方を示したことだ。
インドの自動車メーカー、タタ・モーターズは、2008年1月に待望の低価格車の発表を予定している。カルロス・ゴーン氏率いる仏ルノー・日産自動車(NSANY)連合も、近い将来タタに追随する構えだ。
鈴木会長からは、低価格車競争への参入意欲はうかがえなかった。むしろ3000ドル車の実現可能性に疑問を抱いているようだ(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年8月24日「In India, a Big Push Into Small Cars」)。「この3000ドルという数字には、いまひとつ明確でないところがある。小売価格なのか、部品原価なのか、はっきりしない」と記者団に語った。
低価格車の安全性や環境性能にも疑問を示した。「どの基準をいつまでに達成するつもりなのか分からない。エアバッグやシートベルトは標準装備なのか」と、鈴木会長は問いかける。
厳格な排ガス基準への適合を重視
排ガス基準にも触れた。日本の自動車メーカーは、世界でも特に厳格な排ガス基準をクリアする方向で動いている。“超低価格”ではとても実現できそうもない。
「現在欧州では、EU(欧州連合)指令による排ガス基準、“ユーロ3”を満たすスズキ車を販売している。まもなく“ユーロ4”適合車を発表する。2013年頃には、“ユーロ5”基準も達成する予定だ。タタはインド国内だけで発売する予定なのだろうか。輸出も視野に入れているのか。この3000ドル車については不明な点が多すぎる」(鈴木会長)
当然、日産やタタがこの格安車でにわかに注目を集めたことを考えると、鈴木会長の発言を負け惜しみと取る者もいるだろう。
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