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MBAの学費、公立大学が次々に値上げ

エリート私立校に押され“貧すれば鈍する”?

2007年12月20日(木)

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Alison Damast (BusinessWeek.com記者)

米国時間2007年12月4日更新 「Tuition: Earn More, Pay More?

 エリック・デフリース君は、ユタ州ローガンにある州立大学の4年生で、経営学を専攻している。入学以来、授業料は年2~3%の緩やかな上昇を続けてきた。金融論を学んでいるだけあって、多少の値上がりは仕方のないことと受け止めていたが、昨年春、大学からの電子メールで事情が一変した。基本授業料を含む学費総額2150ドルに加えて、1学期当たり445ドルが経営学専攻の学生に上乗せされると通知してきたのだ。

 授業料の値上がりは誰しも心配することだが、経営学専攻の大学生は予想外の支払いを突きつけられている。ユタ州立大学のジョン・M・ハンツマン・スクール・オブ・ビジネスもその例だ。ハンツマンでは今年から、上級科目の受講を申し込む学生に対し、1履修単位時間につき35ドルの追加徴収を開始した。「新方式で年間授業料に平均735ドル以上が上乗せされる計算になる」と大学側は言う。

 デフリース君は、経営学を専攻していたために学費値上げの対象になった。昨今は多くの大学が“学費区分制度”を採用するようになっており、個々の学生の専攻や学年によって異なる授業料を設定している。この学費制度が急速に拡大している背景には、州政府による公立大学への財政支援の縮小や運営費の上昇がある。

大学の民主主義的使命が危機に瀕している

 「カリキュラムを維持し、私立大学に教授陣を奪われたり講義内容で劣ったりすることのないようにするため、(値上げは)やむを得ない」と学校側は弁明する(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年10月1日「Bridging the Business Faculty Gap」)。だが一部の公教育擁護者はこうした価格戦略に懸念を示す。学校経営がいよいよ苦しくなっていく中で、公立大学の民主主義的使命が大幅な転換を迫られ、市場原理の犠牲となっていくのではないかと危惧しているのだ。

 コーネル大学コーネル高等教育研究所(CHERI)のロナルド・アーレンバーグ所長によると、かつて公教育は“社会財”であり、教育を受ける当事者のみならず社会全体の利益になると見なされていた。しかし今はこういう見方が弱まっているという。「これまで教育や大学教育は、自分自身を見つめ、経済的な心配をせずに好きなことを学べる場とされていた。新たな学費制度の導入で、学生の学習意欲が削がれるかもしれない」と不安を隠さない。

 実は、学費の差別化は今に始まったことではない。一部の大学では何年も前から、特定の専攻について“専門課程受講料”と称して料金を上乗せし、実質的な学費引き上げを行ってきた。公立大学が資金不足に苦しむ中、一部の専攻の授業料を高く設定する学校は増えてきている。

 この事実は、西部15州が参加して高等教育の質の向上を目指す西部諸州高等教育協議会(本部:コロラド州ボールダー)が9月に発行した報告書でも明らかだ。この報告書によると、特定分野を専攻する学生に対し高い授業料を設定しているのは、4年制大学107校のうち26校。多くは各州の中心的大学や研究大学である。

ビジネススクールの学生が標的に

 この傾向はたちまち全国に広がり、「増加の一途をたどっている」と経営教育評価機関AACSBのジョン・フェルナンデス会長は言う。「ここ5年で、ビジネススクールの学部課程で新たな学費制度が採用され始めた。以前は入った大学ごとに決められた学費を払ったものだ。100年以上も続いてきた昔ながらの学費制度は消えかけている。古いやり方に戻ることはもうないだろう」。

 特に大きな打撃を受けるのは、ビジネススクールの学生だ。学部課程で値上げの対象となるのは、高額な費用のかかる技術工学や科学、あるいは卒業後に高給や金銭的報酬が期待できる経営学などの分野に限られる。

 元々、公立大学大学院の経営学課程は学費が高い。例えば、カリフォルニア大学バークレー校のハース・スクール・オブ・ビジネスの今年度の学費は2万6881ドルだ。これを2010-11年度までに年間4万ドルに引き上げる計画も先頃明らかにされている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年9月25日「California O.K.'s Tuition Hikes」)。学部課程も追随の構えだ。

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