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シャープの大勝負

超薄型液晶テレビに社運を賭ける

2007年12月27日(木)

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Kenji Hall (BusinessWeek誌、東京支局テクノロジー担当記者)

米国時間2007年12月18日更新 「Sharp Bets Big on Ultra-thin, LCD TVs

 シャープ(SHCAY)の水嶋繁光氏は社内技術者の中でも指折りの策略家だ。

 以前、プロジェクトの予算増額を訴えるために会社の経営トップをトイレまで追いかけたことがある。若かりし研究者時代には、液晶ディスプレー(LCD)試作機のデモ装置をビルの屋上に設置した。上司に頼んで、最上階で行われていた幹部会議の終了後にCEO(最高経営責任者)を連れて来てもらい、試作機を見せた。「“もう一度中で見たい”と言ってもらえた。その後本格的に取り組む許可が出た」と水嶋氏は振り返る。

 52歳になった水嶋氏はシャープのディスプレイ技術開発本部長を務めている。生まれ持った売り込みの才能を新たな方向に生かす。それは、超薄型液晶テレビこそが最高のフラットテレビだと消費者に浸透させることだ。

2010年3月から超薄型52インチ液晶テレビを堺工場で生産

 8月下旬、片山幹雄社長の下、水嶋氏は超薄型52インチ液晶テレビの試作機を公開した。現在シャープは大阪府堺市に30億ドルを投じて工場を建設中である。2010年3月の稼働開始とともにこの52インチ液晶テレビを製造していく計画だ。

 そしてシャープは、いよいよ次世代液晶テレビの販促に乗り出した。この数カ月、ベルリンや東京の展示会で公開しており、次は2008年1月7日にラスベガスで開催される「CES2008 国際家電ショー」に出展する予定だ。

 シャープはそのブランドと高い利益率を維持できるか――。これは水嶋氏が薄型液晶テレビに対する消費者の購入意欲をかき立てられるかどうかにかかっている。成功すれば年率20~30%というテレビ価格の下落に歯止めをかけることができるかもしれない。

 「超薄型液晶テレビは壁掛けでの使用も可能。設置場所が自由に選べるようになり、消費者のライフスタイルが変わる」と水嶋氏は言う。パネルの詳細については明らかにせず、最新の材料と技術を投入していくと述べるにとどめた。

利幅の小さい小型サイズは作らない

 疑問を呈するアナリストもいる。「市場に出回っているフラットテレビの人気は既に高い。3インチや6インチの厚さが1インチになったところで、大したセールスポイントになるとは思えない」と首をひねるのは、米調査会社ディスプレイサーチの北米テレビ調査担当部長、ポール・ガニヨン氏だ。

 液晶ディスプレーは世界で主流となっている薄型テレビ技術であり、最も急成長している分野だ。2007年には、世界のフラットテレビ購入者の5人に4人が液晶テレビを選ぶことになると韓国の調査会社ディスプレイバンクは予想する。2007年のフラットテレビの販売台数が8800万台に達するとの予想を踏まえると、かなりの収益が見込める。

 ディスプレイサーチの試算によると、2007年の液晶テレビの売り上げは650億ドルを超える。2015年までにフラットテレビの販売台数は3倍にも膨れ上がり、2億6400万台にもなるという。液晶テレビ市場の年2ケタの成長率がフラットテレビ市場を牽引する。

 シャープは次世代テレビの開発に投じた莫大な資金を回収するため、最先端の高品位テレビに何千ドルも出してくれる顧客層を狙う。熾烈な競争が繰り広げられる1010億ドル規模のテレビ事業で、最も収益率が高いのが大画面の上位モデルだ。水嶋氏は、「新しい超薄型液晶はどのサイズを作ることもできるが、少なくとも当初は、利幅が小さい小型サイズは考えていない」と言う。

フラットテレビ市場への新規参入ラッシュで競争激化

 シャープの競争相手はほかのトップブランドだけではない。米ビジオや米ウエスチングハウスといった低価格メーカーとの競争も激化している。それでもシャープは売り上げを伸ばしている。2008年3月期通期連結業績予想では、純利益は前年比3.2%増の9億5500万ドル、売上高は8.7%増の310億ドルを見込んでいる。第3四半期には、同社の「AQUOS(アクオス)」が北米で販売台数第1位に輝いた(ディスプレイサーチ調べ)。

コメント1件コメント/レビュー

4年前、中国でシャープの液晶テレビ、亀山工場のニュースは日経ビジネス誌でよく見ており、携帯や従来の家電が日系企業の存在感が無い中で、頼もしく思っていたが、帰国して家電売り場に行きアクオスを見た時、アクオスという商品名を中国では見たことが無く、アクオスは日本製とは思わなかった。つまり、ブランド名が浸透していなかった。日本の製品を見ると、その製造会社が品質を追い、自己満足しているとしか思えない。その結果、品質がよく、すばらしいものだが、コストがかかり高くて売れないか、利益率を下げて売ることになる。例えば、日本の印刷物は確かに非常にきれいだが、海外の読者はそこそこの印刷物で十分満足している。携帯電話も日本製の機能はすばらしいが、値段も高くなり、結局海外ではある程度の機能があって安いほうが売れる。日本は、国内ではなく世界を見て商売をしなければいけない。富裕層相手の商売(BMWのように)と各国で買える値段の商品(ノキアやサムスン)をそれぞれ考えるべきと思う。日本のテレビを見ていると、やはり技術者の自己満足の追求になっていないかと心配します。研究と実際何を販売するかは違ってもよいのではないか。なお、海外での販売にはテレビを使って大々的に会社と商品名を周知させることが一番です。p&gやユニリーバなどのメーカーが中国に進出した時の手法がそうだったと聞きました。取りとめも無く書きましたが、シャープには世界のトップとして生き残って欲しいと言う願いです。(2007/12/31)

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4年前、中国でシャープの液晶テレビ、亀山工場のニュースは日経ビジネス誌でよく見ており、携帯や従来の家電が日系企業の存在感が無い中で、頼もしく思っていたが、帰国して家電売り場に行きアクオスを見た時、アクオスという商品名を中国では見たことが無く、アクオスは日本製とは思わなかった。つまり、ブランド名が浸透していなかった。日本の製品を見ると、その製造会社が品質を追い、自己満足しているとしか思えない。その結果、品質がよく、すばらしいものだが、コストがかかり高くて売れないか、利益率を下げて売ることになる。例えば、日本の印刷物は確かに非常にきれいだが、海外の読者はそこそこの印刷物で十分満足している。携帯電話も日本製の機能はすばらしいが、値段も高くなり、結局海外ではある程度の機能があって安いほうが売れる。日本は、国内ではなく世界を見て商売をしなければいけない。富裕層相手の商売(BMWのように)と各国で買える値段の商品(ノキアやサムスン)をそれぞれ考えるべきと思う。日本のテレビを見ていると、やはり技術者の自己満足の追求になっていないかと心配します。研究と実際何を販売するかは違ってもよいのではないか。なお、海外での販売にはテレビを使って大々的に会社と商品名を周知させることが一番です。p&gやユニリーバなどのメーカーが中国に進出した時の手法がそうだったと聞きました。取りとめも無く書きましたが、シャープには世界のトップとして生き残って欲しいと言う願いです。(2007/12/31)

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