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米国本土が危ない

国土安全保障省による対策を疑問視する批判の声

2008年1月7日(月)

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Rachael King (BusinessWeek.com記者、サンフランシスコ)
米国時間2007年12月17日更新 「Homeland Insecurity

(この記事は3回連載の第1回です。米国の安全を守るための技術開発に際して、米国土安全保障省が抱える課題と可能性をリポートします)

 米国境警備隊を相手に“鬼ごっこ”をしてみたら、国境警備隊の“負け”だった――。

 1年ほど前、1人の男がカナダの米国境近くの一本道をドライブしていた。道路沿いの側溝を飛び越えれば国境を越えられるほど、米国に接近した道だ。

 彼は監視の目がなさそうな場所で車を止めて降車し、放射性物質の模造品を入れた赤い布製バッグを抱えて国境を越えた。徒歩で米国側へ数百メートル進んでから再びカナダ側へ引き返した。そして15分間、じっと警備当局の反応を待った。だが誰も姿を現すことはなかった。

 2006年12月5日に実行されたこの違法な入国は、同年の後半に成功した3つの試みのうちの1つだ。“実行犯”は米国政府の調査官である。3回とも誰にも発見されることなく、カナダからの密入国に成功。しかも輸出入禁止品(実際は模造品だが)を毎回持ち込んでいた。

あまりにも簡単に密入国できるカナダ国境

 これらはすべて米政府説明責任局(GAO:U.S. Government Accountability Office )の調査の一環で、米国境の非監視地域における警備上の弱点を追究することが目的だ。米政府説明責任局は、連邦政府のプログラムを監視する超党派の独立系政府機関である。

 米国土安全保障省(DHS:the Department of Homeland Security)には、このような違法行為から国土を守る責任があり、その任務を果たすためIT(情報技術)に数十億ドルをつぎ込んできた。だが、膨大な予算を投じながらもニーズに対応するには程遠い状態だとして、専門家の間では批判の声が高まっている。

 「国土安全保障省の場合、必要な活動を遂行しなければ、単に財政上の損失というだけでなく、安全保障上の国益損失にもつながりかねない」と、米下院政府改革委員会の委員長を務めるヘンリー・ワクスマン下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は指摘する。

 IT関連の委託契約に投じられた総額約30億ドルは、同省の2008年度IT予算の6割を占める。ところが、スケジュールの遅延、予算超過、有能なプロジェクト管理者や明確な基準の欠如など、様々な理由によって期待はずれの実績しか上がっていないのが現状だ。予算面に関して言えば、連邦政府の予算編成を支援する米行政管理予算局(OMB:the Office of Management & Budget)によると、問題のある米政府ITプロジェクトのうち、約半分を国土安全保障省のプロジェクトが占めている。

 以上の結論は、連邦予算、議会証言、1000ページ余りの政府報告書、業界リポートに関してBusinessWeek.comが実施した調査に基づいている。さらに30人以上の企業幹部、議員、政府監視機関、専門家、政府高官(現職および経験者)とのインタビューを踏まえたものだ。

外部委託業者への過度な依存

 専門家が指摘するのは、外部委託業者への過度な依存と、省内における有能なプログラム管理者やIT担当者の不足だ。ブラックウォーター・ワールドワイドの武装要員による民間人銃撃事件は、イラクで米軍が委託業者に依存する実態を浮き彫りにしたが、こうした依存傾向は国土安全保障省でも変わりはない。2001年9月11日の同時多発テロ直後、多種多様なプロジェクトの始動が急がれる中で、とりわけ外部委託業者への依存度が高まっていったのだ。

コメント1件コメント/レビュー

こういう無駄遣い(税金泥棒)は数々指摘されているが、メディアや議員の指摘によって無限に肥大化しないように抑えが効いている所がうらやましく思える。産業界がロビイストに金を握らせて利権を作り、甘い汁を吸おうとするのは、ロビイストを族議員に置き換えれば日本も同じだが、日本の場合は無関心に守られているので始末が悪い。メディアも一時は騒ぐがすぐに忘れる癖が抜けない。こういう事にはもっと怒らないと。(2008/01/07)

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こういう無駄遣い(税金泥棒)は数々指摘されているが、メディアや議員の指摘によって無限に肥大化しないように抑えが効いている所がうらやましく思える。産業界がロビイストに金を握らせて利権を作り、甘い汁を吸おうとするのは、ロビイストを族議員に置き換えれば日本も同じだが、日本の場合は無関心に守られているので始末が悪い。メディアも一時は騒ぐがすぐに忘れる癖が抜けない。こういう事にはもっと怒らないと。(2008/01/07)

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