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雪解けムードを消し去るイラン海軍の“威嚇”

2008年1月28日(月)

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 1月上旬、ペルシャ湾でイラン海軍が米海軍を「威嚇」し、両国関係が一気に緊張したかのように伝えられた。2007年12月の国家情報評価(NIE)発表により、米国の対イラン政策の変化を世界に印象づけた直後だけに、この事件は雪解けムードを消し去り、ペルシャ湾がいまだ一触即発の緊張状態にあるとの印象を与えた。いったいこの事件の背後には誰のどのような思惑が交錯していたのか?

 この事件は、1月7日に米国防総省が「ペルシャ湾のホルムズ海峡で現地時間5日夜から6日の未明にかけて、イラン革命防衛隊の艦船5隻が米海軍艦船3隻に至近距離まで接近し威嚇行為を行った」と発表したことにはじまった。このときイラン側は無線で「私はお前のところに向かっている」「数分以内に爆発する」と警告し、米海軍の司令官は砲撃命令を出す直前だったと発表され、当時いかに緊張感が高かったかを印象付けた。

 この発表の翌日に米国防総省は、イラン海軍による「威嚇行為」を映した4分あまりのビデオを公開、そのビデオには米海軍艦船の周囲を高速で航行する小型哨戒艇の模様が映されており、ビデオの最後に映像が途切れた後、たどたどしい英語で語られる「私はお前のところに向かっている」「数分以内に爆発する」の録音が流されてビデオは終了していた。米国防総省は映像と音声は別のシステムでそれぞれ録画・録音されたものを編集したものだと説明していた。

 これに対して、イラン側は10日、この事件に関するイラン・バージョンの映像を公開。そのビデオによれば、パトロールにあたっていたイランの小型哨戒艇の一隻に乗る革命防衛隊員が通常の無線交信をしており、米海軍の艦船の登録番号が確認できなかったためそれを確認する目的で米艦船に接近した様子が映されていた。「通常の海上パトロールの一環として戦艦のアイデンティティを確認していただけである」というイラン政府の主張を裏付ける内容になっている。

 これを受けて、ゲーツ国防長官は、「イランの高速艇が危険で攻撃的に振舞ったことに疑問の余地はない」、「我々がもっとも懸念しているのは、イランの小型艇が5隻あったという事実と、我々の艦船にあまりにも接近し過ぎたということと、極めて攻撃的と取れるような振る舞いをしたということだ」と述べている。しかし「数分以内に爆発する」とした無線交信については、革命防衛隊の高速艇から発信されたものではなかった可能性も認めている。

 米国防総省は「ビデオに収録された音声は、艦対艦通信のチャンネルとして国際的に認知されているものの中から得られたものであり、同チャンネルは米艦船からの特定の範囲内にある海上および陸地すべてにオープンとされている」と述べ、「威嚇」が高速艇から発せられたかどうかは「分からない」と認めている。報道官のジョン・ゲイ大尉も、「(威嚇が)正確にどこから発せられたのかは分からない。沿岸からか、別の船舶からの可能性もある」と述べているのである。

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「雪解けムードを消し去るイラン海軍の“威嚇”」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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