Brian Burnsed (BusinessWeek誌インターン、アトランタ)
米国時間2008年1月7日更新 「Wikia Wants to Shake Up Search」
ネット百科事典ウィキペディアの創設者の1人ジミー・ウェールズ氏──。
新たに立ち上げたウェブ検索サイトで、検索界の巨人グーグルに戦いを挑む。だが、一発逆転の大金星を狙うなどという夢物語にふけっているわけではない。当分はグーグル(GOOG)の市場シェアの足元にも及ばない小兵であることは百も承知だ。
ウェブ検索のあり方を根底から変えたい
しかし彼には、もっと壮大な目標がある。利用する検索エンジンに関係なく、ウェブ検索のあり方を根底から変えたいと思っているのだ。
米国時間の1月7日、検索サイトの新星、ウィキアサーチが公開された。1年以上に及ぶ開発期間(BusinessWeek.comの記事を参照:2006年12月27日「Crowd Wisdom vs. Google's Genius」)と、1400万ドル以上の出資を受けてこぎ着けた船出だ。
出資元は、米アマゾン・ドット・コム(AMZN)や米ベンチャーキャピタル企業ベッセマー・ベンチャー・パートナーズなど。ほかにも、綺羅星のごと如き出資者が名を連ねる。米ネットスケープ・コミュニケーションズの設立者の1人マーク・アンドリーセン氏、米リンクドインの設立者の1人レイド・ホフマン氏、米ロータス・デベロップメントの設立者で、電子フロンティア財団の設立者の1人でもあるミッチ・ケイパー氏などだ。
検索エンジンを立ち上げたのは米ウィキア。カリフォルニア州サンマテオに本拠を置く営利企業で、ウェールズ氏らが2004年に設立した企業が母体となった会社である。
ウィキアサーチには、グーグルをはじめとする多くのウェブ検索サイトとは一線を画す特徴がある。コンピュータープログラムを利用した検索手法に、人間を関与させた点だ。加えて、大いなる可能性を秘めた特徴もある。検索ツールの基になっているソースコードを公開することにしたのだ。ソースコードの公開は時代の趨勢だ。グーグル社内も含めて、IT(情報技術)業界では、オープンなソフトウエアの利用が広まっている。
検索業界をオープン化へ向かわせる
ほかの検索サイトもウィキアの動きに追随してほしいと、ウェールズ氏は考えている。検索手法の透明性を高め、ユーザーの関与をもっと取り入れることが狙いだ。
「この動きには、権力や支配についての我々の見方が投影されている。中身がブラックボックス化した独自仕様のソフトウエアは要注意だと思う。ひと握りの企業が、とてつもなく大きな流れを牛耳ることになる」(ウェールズ氏)
ウィキアが目指すのは、「満足のいく品質を達成して、検索業界各社を刺激し、さらなるオープン化へと向かわせること」(ウェールズ氏)だという。
検索の質はユーザーの動向次第だ。大勢のユーザーに参加してもらえれば、検索の質も上がる。ウィキアサーチでは、検索結果が役立ったかどうかをユーザーが評価する仕組みを積極的に活用。評価が高かった結果ほど、その後の検索で優遇される。
ウィキアサーチは、検索結果ページに表示する広告枠を販売して収入を得る予定。非営利のウィキペディアとの大きな違いだ。ウィキアとウィキペディアには、表面上の結び付きはない。1月7日にwww.wikia.comで公開されたサイトの見た目は、ウィキペディアとは似つかない。むしろ、おなじみグーグルのレイアウトに近い。
期待は高まるが…
数カ月前から大きな話題になっていたウィキアサーチ。公開当初はユーザーがどっと押し寄せる可能性もあると、業界関係者やアナリストは見る。問題は、“一見さん”が“常連さん”になるかどうか、口コミで広まるかどうかだ。
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