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ベアの命運握る影の男

ベア・スターンズ筆頭株主、ジョー・ルイス氏とは何者か?

2008年1月21日(月)

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Ben Levisohn (BusinessWeek誌記者)

米国時間2008年1月9日更新 「Bear Stearns' Wild-Card Shareholder

 英資産家のジョセフ・ルイス氏が米大手投資銀行ベア・スターンズ(BSC)株を“買い”と読んだのは、大外れだったようだ。

 ルイス氏がベアの筆頭株主になったのは2007年9月。3カ月後に下値で買い増したものの、株価は急降下を続けたままだ。1月8日も、ジェームズ・ケインCEO(最高経営責任者)が退く見通しだという報道を受け、1日で7%近く急落。筆頭株主である同氏の持ち株比率10%の評価額は、12億ドルから8億4000万ドルへと大きく目減りした。

 ルイス氏(70歳)の投資対象は広範多岐にわたり、以前にもこうした評価損を無事乗り切っている。1978年に投資会社タビストック・グループを設立。保有株170社の業種は、不動産、金融サービス、製造、娯楽、外食と幅広い。

投資スタイルは「割安株を狙い、数年間じっと値上がりを待つ」

 為替取引やベア株買いのように市場の趨勢を見て動く場合には、アクエリアン・インベストメンツ、ニヴォン、マンダリン、ダーチン、カンブリアという5つの機動性の高い投資ファンドを主に利用する。割安株をつかまえ、数年間じっと値上がりを待つのが得意な投資パターンだ。英プレミアリーグ所属のサッカーチーム、トッテナム・ホットスパーもその1例。2000年に1株80ペンスで取得した後、一時17ペンスまで下がったものの、直近では138ペンスまで回復している。

 ベア株はかなりの長期間保有することになるだろう。2007年第4四半期にサブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)関連証券の評価損19億ドルを計上するなど業績不振に喘いでいるからだ。アラン・シュワルツ新CEOは、収益源である住宅ローン関連投資が停止状態にある今、主軸の債券部門の立て直し策を打ち立てる必要がある。

 昨年夏に破綻した2つのヘッジファンド問題で、証券規制当局と連邦捜査官の捜査も入っている。米調査会社パンク・ジーゲルのアナリスト、リチャード(ディック)・ボーブ氏は、「ベアは得意な分野に特化していたが、もう立ち行かなくなっている。歴史に残る投資失敗例だ」と語る。

裏で画策するタイプ

 国内外のライバル行がベア買収に名乗りを上げるのではないか――。そんな憶測も飛び交っている。現在の株価は、純資産の簿価を15%も下回る水準にある。投資銀行としては前代未聞のことだ。

 とはいえ、丸ごと買うにはベアは巨大すぎ、魅力も薄い。複数の買い手に事業を切り売りする公算は大きい。いまだ財政的に健全なプライムブローカー(ヘッジファンド向け総合サービス)部門や取引清算部門などが売却候補だ。

 こうした状況下で今後ルイス氏がどう出るかを巡って、様々な思惑が生まれている。

 裏で画策するタイプのルイス氏は、過去に数々の敵対的買収を仕掛けている。シャガールやピカソの絵画の収集家でもあり、1995年には米競売会社クリスティーズを狙った。当時の芸術品売買市場は停滞しており、クリスティーズの株も割安だったのだ。同社の株を段階的に29%まで買い集めたものの、結局買収は不成立。1998年には仏メディア業界の大物フランソワ・ピノー氏に約3億ポンドで持ち株を売却し、50%の売却益を手にしている。

 しかしベアの買収となると、一筋縄ではいかない。株価が70ドルと低迷する現在でさえ、即座の買収には最低40億ドルの追加資金が必要だ。当面は、より慎重な姿勢を取る可能性が高い。ベアがシュワルツ体制下でウォール街の有力行として復活できるかどうか、しばらく静観するものと見られる。

15歳で学校をやめ、実業の道に入る

 事業の立て直しは、ルイス氏が初期の元手を手にした方法でもある。ロンドンで生まれ、親の経営する「ローマン・アームズ」という酒場の2階に住んでいたが、この店は第2次世界大戦中にドイツ軍の空襲により破壊された。

 15歳で学校をやめたルイス氏は、家業の飲食店を手伝い始めた。旅行者を呼び込もうと、コンクリート製のバス停を飲食店の前まで引きずってきたという。当初はそれほど苦労した家業も、ルイス氏がテーマレストランチェーンへと拡大していくうちに軌道に乗り始めた。

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