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ああ恐ろしや、オイルマネー

中東の政府系ファンドが世界の構図を変える?

2008年1月22日(火)

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Emily Thornton (BusinessWeek誌、アソシエートエディター)
Stanley Reed (BusinessWeek誌、ロンドン支局長)
Nandini Lakshman (ムンバイ)

米国時間2008年1月10日更新 「Who's Afraid of Mideast Money?

 クウェート市の官庁街の奥深くで、バデル・M・アル・サアド氏は世界中に散らばる莫大な富をチェスの駒のように動かしている。

 この痩身で威厳のあるクウェート投資庁(KIA)長官は、国家のカネ2130億ドルの運用を任されているのだ。いわゆる政府系ファンド(SWF)の中でも最大級であるサアド氏のポートフォリオには、巨額のオイルマネーが次々と補充される。原油価格が1バレル=100ドルを突破した今、国庫は潤う一方だ。

 サアド氏のオフィスには、机を見下ろすようにクウェート首長や王子の肖像が飾られ、とても投資戦略など聞き出せそうもない雰囲気だ。だが4年前から現職にあるサアド氏(50)は、ざっくばらんに次のように話してくれた。

 「中国やブラジルをはじめとする新興市場への投資を増やし、英国やフランスへの投資は減らしたい。レバレッジド・バイアウト(LBO、相手先資産を担保にした借り入れによる買収)にも大変関心がある。最低40億ドルを優良企業株、特に米企業の大量取得に充てたい。現在の保有分(約170億ドル)に加えてだ。誰も手を出したがらないが、米国の住宅ローン担保証券(MBS)への投資も考えている」

 ファンドの約15%は新興市場、ヘッジファンド、プライベートエクイティ(非上場株、以下PE)に投資している。サアド氏が運用を始めた時にはこうした投資はほぼ皆無だった。「しばらく活動していなかったが、また投資対象を物色し始めている」とサアド氏は言う。

中東の政府系ファンドに眉をひそめる欧米人

 “物色”というより“漁る”と言った方がよいかもしれない。ペルシャ湾岸諸国のSWFは世界の金融地図を塗り替えつつある。そのやり方に不安を抱く欧米人も多い。

 ここ数カ月で湾岸諸国のSWFが莫大な資金をつぎ込んだ企業はざっと挙げるだけでも米シティグループ(C)、米PEの巨人カーライル・グループ、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、欧州航空機メーカーのEADS(EADS)など、かなりの数に上る。LBOにも積極的だ。PE投資会社と組むこともあるが、企業経営の経験に乏しいながらも単独での買収も行っている。

 カーライルの共同創業者デビッド・ルーベンスタイン氏は、「大型SWFはPE業界での存在感を強めている。出資するだけでなく、PE投資会社の競争相手にもなっている」と言う。同社は昨年9月にアブダビ政府のSWFに持ち分7.5%を売却した。「近い将来、“オイルマネー”がPE業界を支配し、我々の雇い主となるかもしれない」と、米PE投資会社トーマス・H・リー・パートナーズの取締役グレゴリー・A・ホワイト氏は危機感を募らせている。

 BusinessWeek誌は先日、湾岸地域でトップクラスの4人のファンドマネジャーを訪ねた。クウェートのサアド氏、ドバイのサミール・アル・アンサリ氏、サウド・バーアラウィー氏、デビッド・ジャクソン氏である。それぞれ、無名の存在から、驚異的な勢いで頭角を現している。これほど短期間に、これほど莫大なカネを動かすようになった例は非常に稀だ。

「クウェートが大株主になるのを歓迎すべきだ」

 この4人のファンドマネジャーは一様に「欧米の企業や政治家の心配は杞憂にすぎない」と断言する。サアド氏は、企業のCEO(最高経営責任者)はクウェートが大株主となるのを歓迎すべきだという。その理由を慣れた口調ですらすらと挙げる。

 その1、クウェートは、取得した株式を数年間手放さないという条件に合意するので、長期資本が確保できる。

 その2、サアド氏は、CEOに不満があっても公言せず本人にだけ伝える。「自分がCEOだったら、安定性を求める」とサアド氏は言う。

 しかし、最近のSWFの中には、このような穏便な見解を裏切るような行動を取るところもある。

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