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クローン食品、食卓へ?

米食品医薬品局の安全宣言に猛烈な反発

2008年1月23日(水)

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Pallavi Gogoi (BusinessWeek.com特約記者)

米国時間2008年1月15日更新 「Uproar over Cloned Food? Copy That

 「フライ602号」は“美人”の牛だ。胴体は真っ黒で、脚が2本だけ白い。米アイオワ州インディペンデンスで畜産業を営むリック・フライ氏にとっては文字通り“キャッシュカウ”──「金を生む牛」だ。

 12年の間に生んだ子牛の中には、1頭2万5000ドルの高値がつけられたものもある。602号の子牛の多くが、あちこちの品評会で賞を獲得しているためだ。オクラホマ州のタルサ・ステート・フェアの共進会のチャンピオン牛(去勢牛)から、カンザス州やテキサス州サン・アントニオのライブストック&ロデオショーの品評会での準優勝まで様々だ。

 そんなわけで、フライ氏が602号のクローンが欲しいと思ったのも無理はない。1万6500ドルを支払って依頼した602号のクローン牛は、あと数週間で誕生する予定だ。「602号は100万頭に1頭の素晴らしい牛だ。これからどれほど稼げるかを考えれば安いものだ」とフライ氏は言う。602号には独立した牛舎をあてがい、特別な飼料を与えるという高待遇ぶりだ。

クローン家畜の次世代がスーパーで売られる

 フライ氏は非常に賢明な投資をしたと言えるかもしれない。1月15日、米国は世界で初めてクローン家畜から生産された食品の販売を認可した。米食品医薬品局(FDA)は7年にわたりデータを検討した結果、「クローン動物から生産された食品が安全でないという証拠は見つからなかった」とする報告書を発表した。

 オーストラリア、アルゼンチンなどの国でも同様の判断が下されることになるだろう。欧州食品安全庁(EFSA)も先週、「クローン技術で生まれた家畜やその子孫から作られた食品と、通常の方法で生まれた家畜から生産された食品とで、安全性に違いがあるとは思われない」とする報告書を出している。

 だが、クローン家畜の肉やミルクがすぐに市場に押し寄せるわけではない。フライ氏のような畜産家やクローン家畜の生産に熱心に取り組んできた畜産会社、米国の動物クローニング技術の有力企業であるバイアジェンサイアグラ、トランス・オーバー・ジェネティクスなどの企業には難題が残されている。食品問題の運動家から一斉に強い反発の声が上がるのは必至だからだ。

 昨年FDAがこの問題に関してパブリックコメント(一般からの意見)の聴取を行った際にも、実に3万件以上の意見が寄せられた。

 現在米国内に存在するクローン牛は100頭に満たない。手に入れるには1頭1万6000ドル以上の費用がかかることを考えれば、誰もその牛をステーキ肉用に出荷しようとは思わないだろう。通常クローン動物は、フライ氏の602号のように、優れた品質の子供を産むことのできる優秀な個体が複製される。

 こうしたクローン動物によって優れた遺伝子はさらにその子孫へと受け継がれ、高級肉や良質の乳製品となる。スーパーマーケットで売られるようになるのは、こうした次世代の子孫たちだ。

消費者団体は食品医薬品局を提訴へ

 米消費者団体の1つ、食品安全センター(CFS)はFDAを提訴する構えだ。この団体は、2006年にもFDAに対して異議を申し立てた。膨大な量の法的根拠を示し、クローン動物の安全性評価は食品ではなく薬品並みの厳格な審査基準で行われるべきであると主張したのだ。クローン家畜は人為的に製造されたものであるというのが主要な論点だ。

 「我々はFDAがこの申し立てを拒絶したことに対して、法廷で追及していく」と同センターの法務ディレクター、ジョセフ・メンデルソン氏は言う。

 政府の最終決定を受け、食品安全センター代表のアンドリュー・キンブレル氏は「今回の(FDAの)決定は、不十分で問題点が多い調査に基づくものだ。しかもこの調査は、クローン技術で生産された食品を米国の消費者に売り込みたい企業の側から提供された研究データに基づいている。保護すべき一般消費者よりも、ひと握りのバイオ企業の利益を優先させるものだ」と強く非難する。

 議会では既に、クローン食品の出荷時期を遅らせるための立法措置が検討されている。ジョージ・ブッシュ大統領が昨年12月に署名した歳出予算案では、FDAに対し、クローン家畜から製造された食品の認可は市場に与える影響を十分に調査するまで遅らせるべきと勧告している。

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