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アジア株暴落、火に油注いだ中国

中国頼みの“デカップリング理論”が吹き飛ぶ

2008年1月23日(水)

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Bruce Einhorn (BusinessWeek誌アジア地域担当エディター、香港)

米国時間2008年1月22日更新 「China Worries Worsen Asian Plunge

 アジア環太平洋の株式市場は昨年、「絶好調な中国経済が米国の景気減速のマイナス影響を相殺する」という投資家の信頼感によって押し上げられてきた。

 この中国という救命ボートが今、急激に浸水し始めている。1月21日、アジア全域で株式相場が急落。米国の先物相場が翌日の米国市場でダウ平均が500ドル下げることを示す中、アジア市場は22日も総崩れとなった。米国の景気後退と中国経済の減速に対する懸念が投資家を脅かし、資金流出が続いたのだ。

 日本市場では1月22日、日経平均株価が1万2738円(4.4%安)で午前の取引を終えた。前日の3.86%安に続く株価急落で、日経平均が1万3000円台を割り込むのは、2005年10月以来のことだ。香港のハンセン指数は21日の5.5%安に続いて、22日の午前の取引でさらに5.5%急落。上海市場は前日の5%安に続き、22日も3.9%下げた。

 21日に2.95%下げた韓国のKOSPI指数は、22日も急落して始まり、取引開始1時間後に4%安まで下げ幅を広げた。ソウルの資産運用会社KTBアセットマネジメントのCIO(最高投資責任者)、アン・ヨンフェ氏は、「感染が急速に広がっている。震源地は米国だが、日本と欧州も打撃を受け、今や中国も無事でいられないことがはっきりしてきた」と言う。

 この過程で、"デカップリング理論"――米国が景気後退に陥っても、中国を中心としたアジアが世界経済を浮揚させるという考え方――が吹き飛んだ。

 今、中国とのつながりが深い企業が打撃を受けている。韓国株の下げを主導したのは、昨年、中国の劇的な経済成長の恩恵を最も受けた造船、鉄鋼株だ。世界最大の造船会社である現代重工業の株価は4.6%下落、世界最大級の鉄鋼メーカーで収益力の高いポスコ(PKX)も4.2%下げた。

 オーストラリアでも株安が続いた。実際、オーストラリア株は2週間ずっと下げ続けており、その間、中国からの需要急増などで急騰してきた資源大手株が急落。英豪BHPビリトン(BHP)の株価は今年に入って20%も下落している。

間の悪い中国の景気減速

 ほかのアジア地域と同様、中国に対する投資家の懸念の1つは、中国銀行をはじめとした中国の大手行が米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)証券化商品であとどれくらい評価損を計上する必要があるのか、ということだ(BusinessWeek.comの記事参照:2008年1月16日「Subprime Fears Pelt Asia's Markets」)。

 だが、投資家の懸念は米国の金融危機を超え、多くの問題に広がっている。中国経済は世界の経済成長にとって、最悪のタイミングで減速し始めているかもしれないのだ。

 中国政府は、昨年12%近い伸びを示した中国経済の成長ペースを落とそうと努力している。そのために人民元の対ドル相場が従来より早いペースで上昇することを容認してきた。また、中国の銀行の預金準備率を段階的に引き上げてきた。1月25日から、中国の銀行が中国人民銀行(中国の中央銀行)に預け入れなければならない準備金の割合は0.5%高くなり、預金残高全体の15%になる。

 同時に、中国政府は昨年11月に6.9%まで上昇したインフレと戦うため、1月16日、食品とガソリンに物価統制措置を導入した。「中国では既に石炭が不足しており、ガソリン争奪戦が繰り広げられている」。HSBC(HBC)の香港支店に勤めるアジア太平洋地域担当の株式アナリスト、ゲイリー・エバンズ氏はこう語る。「こうした問題は今後悪化する。企業は食品などを売って儲からないようなら、生産を縮小するだろう」。

 こうした対策は、中国経済の過熱抑制に一定の成果を上げ始めているものの、一方では、右肩上がりの成長に慣れきった中国企業の収益に打撃を与えている。

 上海在住のスタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、スティーブン・グリーン氏によると、中国の輸出は今年劇的に減速する見通しだ。例えば昨年、中国の輸出は国のGDP(国内総生産)成長率の2.5%を担ったが、2008年の割合は1.3%に縮小し、2009年にはゼロになるという。

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