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打倒アップル! アマゾンの挑戦

音楽ダウンロードサービスの寡占市場に切り込む

2008年1月24日(木)

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Tom Lowry (BusinessWeek誌シニアライター、ニューヨーク)
Peter Burrows (BusinessWeek誌シニアライター、シリコンバレー)

米国時間2008年1月7日更新 「Slouching Toward Digital

 米アマゾン・ドット・コム(AMZN)の新たな音楽ダウンロードサービスは、レコード会社にとって壮大な実験である。レコード会社の多くが、自社の楽曲をコピー制限などのデジタル著作権管理(DRM)による保護なしで販売することに、初めて同意しているからだ。だが同時に、窮地に立たされているレコード会社が価格面でどの程度柔軟に対応できるかを試す場ともなりそうだ。

 レコード会社幹部はここ数年来、「iTunes(アイチューンズ)ストア」でオンライン音楽市場を独占する米アップル(AAPL)に対抗しようと、有望な代替案を必死で探ってきた。電子商取引の深い専門知識と得意顧客、そして強力なブランド力を持つアマゾンは理想の対抗馬だ。アイチューンズがどの楽曲も一律価格で提供する方針を取っているのに対し、アマゾンの新サービスでは各社がそれぞれ違う価格を設定できることも大きい。

 昨年9月25日から始まった配信サービス「アマゾンMP3ストア」の売り上げは好調で、既にアマゾンが市場第2位の位置につけたと専門家は見ている。1月7日には、米ソニーBMGミュージック・エンターテインメントも一部店舗で販売するギフトカードを使った購入についてDRM制限を外すと発表したが、音楽ダウンロードの新たな展開をレコード会社に迫るプレッシャーは高まる一方なのである。

アップルの「iTunesストア」よりも有望?

 アリシア・キースの新作アルバムの曲を、バックマン・ターナー・オーバードライブの昔の曲よりも高い価格で販売する──。これが、レコード会社が長年アイチューンズでやりたいと思っていたことだ。ところがアップルCEO(最高経営責任者)のスティーブ・ジョブズ氏はこれを拒み、あくまで「1曲99セント」にこだわった(うちレコード会社の取り分は約70セント)。

 現在アマゾンではほとんどの曲を89セントで販売しているが、レコード会社は2週間前までに通知すれば自由に卸売価格を変更できるという。従来型小売店と同様の取り決めだ。レコード会社はアルバムの中の1曲ごとに異なる卸売価格を設定し、アマゾンがその小売価格を決める方式だ。一部レコード会社幹部によると、卸売価格が89セントもの高値になる場合があり、アマゾンは販売促進のため一部楽曲については採算を度外視しているという。

 アマゾンでデジタル音楽部門担当副社長を務めるビル・カー氏は、レコード会社との契約条件については明らかにしない。ただ、アマゾンはこの事業を単なる客寄せの目玉にする気は毛頭なく、「最初から黒字を狙っていく」と同氏は言う。

 これまでのところ、アマゾンの実験はレコード会社にとって「吉」と出ているようだ。価格の安さに加えて、幅広いジャンルの音楽がDRMなしで手に入る点が好評を得ている。著作権侵害防止の制限つきだと、音楽を再生できる機器の種類や数が限られてしまうためだ。

 昨年12月、米ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)がDRMなしで楽曲を提供することに同意して以来、こうした傾向は強まっている。ソニーBMGが予想通りこれに追随すれば、アイチューンズに加えてアマゾンでも、大手レコード会社全社の音楽を、iPod(アイポッド)で再生可能な形で配信できるようになる。

 米調査会社イーマーケターのアナリストであるポール・バーナ氏は、現在アップルの独占状態にあるデジタル音楽ダウンロード市場の20%を、アマゾンは容易に獲得できるだろうと予測する。アマゾンは数字を発表していないものの、「これまでの結果には十分満足している」とカー氏は言う。

価格を引き下げ、販売量を増やす

 問題は、レコード会社がどこまで価格を引き下げる用意があるかということだ。長年業界内では、価格を下げると音楽の価値が大幅に落ちると考えるのが普通だった。レコード会社幹部は、自社の音楽が無料でダウンロードされたり交換されたりするのを目の当たりにしている。彼らにとっては価格引き下げは受け入れ難い。

 だがアマゾンは、そうした凝り固まった思考から脱却する機会を与えた。楽曲の価格を大幅に引き下げることによって販売量を増やし、全体の売り上げを押し上げるという考え方への転換だ。アイチューンズは、消費者にアルバム全体を買わせるのでなく、好きな曲だけを個々に選んでもらうことで、音楽の一括販売という長年のモデルを打破した。次に続くアマゾンは、デジタル音楽配信の価格決定モデルを変革できるかもしれない。

 「レコード会社が音楽出版業界のような価格決定モデルを採用するには、急激な変化が必要だ」と、米アイライクCEOのアリ・パートビ氏は、昨年末のインタビューでビジネスウィーク誌に語った。アイライクは、音楽ファンにお薦めの曲とソーシャルネットワーキングを提供するオンラインサービスだ。

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