Bruce Einhorn (BusinessWeek誌香港支局、アジア地域担当エディター)
米国時間2008年1月9日更新 「New Fears for China's YouTube Wannabes」
中国のインターネット利用者数が1億6000万人を突破する中、中国のネットサーファー向けに新サービスを提供する新興ウェブ企業には、米国からのベンチャー投資が殺到している。この傾向が最も顕著なのが、絶好調の動画部門だ。
例えば米インターナショナル・データ・グループ(IDG)(本社:マサチューセッツ州フレーミングハム)傘下の技術創業投資基金(IDGVC、本社:北京)は、動画共有サイトやオンライン映画サイト、携帯電話向け動画サイトに出資している。「いずれのサイトも将来有望だ」とIDGの北京担当責任者を務める周全氏は言う。
中国内での動画配信に「免許制」を導入
ただし、頭の痛い問題が1つある。今のところどの企業も、中国で動画を配信するための「免許」を持っていないということである。もっとも周氏は大して気にしていないようだ。「ベンチャー投資とはそういういうものだ。多少のリスクはやむを得ない」。周氏のようなベンチャー投資家と、その支援を受けている中国の起業家は現在、どこまでリスクを許容できるかを厳しく試されている。
1月31日から、中国政府はインターネットの動画に新たな規制をかける。中国国内でオンライン動画を配信するには免許が必要となり、しかも免許を取得できるのは国営もしくは政府系企業のみになりそうなのだ。立ち上がりかけた中国インターネット動画産業を破滅に追い込みかねない。
中国の民営インターネット新興企業の間では不安が高まっている。「危惧する声は多い」と言うのは、上海を拠点とする土豆網(トゥドウ)の創業者でCEO(最高経営責任者)を務める王微氏だ。土豆網は中国版「ユーチューブ」とも言うべき動画共有サイトで、IDGや複数のベンチャー投資企業の支援を受けている。「(この規則を)文字通り解釈するなら、政府が国内インターネット事業を丸ごと支配することになる」と同氏は言う。
2匹目のどじょう狙うベンチャー投資が花盛り
これまで土豆網などの新興企業は、中国で“2匹目のどじょう”を狙う海外ベンチャー投資家からの関心の高まりによって恩恵を受けてきた。
2007年11月26日には、北京の動画共有サイト「優酷網(ユーク)」が、米資金運用会社ベイン・キャピタル傘下の米ブルックサイド・キャピタルと投資会社3社――米サッターヒル・ベンチャーズ(本社:パロ・アルト)、米ファラロン・キャピタル(本社:サンフランシスコ)、中国の成為基金(チェンウェイ・ベンチャーズ、本社:上海)――から計2500万ドルを調達したと発表している。
優酷網と競合する「56ドットコム」は、金額は非公表ながら、シリコンバレーの有力ファンド米セコイア・キャピタルや、米ウォルト・ディズニー(DIS)傘下の米スティームボート・ベンチャーズなど複数の投資会社から出資を受けている。また土豆網は昨年4月、IDG、米ジェネラル・カタリスト・パートナーズ(本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ)、ジャフコ(本社:東京)、米グラナイト・グローバル(本社:シリコンバレー)から1900万ドルを調達している。
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