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政府系ファンドを叩け!

巨額投資マネーへの脅威論がダボスで噴出

2008年1月28日(月)

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Stanley Reed (BusinessWeek誌ロンドン支局チーフ)

米国時間2008年1月24日更新 「Sovereign Wealth Funds Top Davos Talk

 今年のダボス会議で最もホットな話題は何か。恐らく、それはソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)だろう。湾岸諸国やアジア諸国などで急激に資本が膨らみつつある巨大な政府系ファンドのことである(BusinessWeek.comの記事参照:2007年11月1日「The New Financial Heavyweights」)。

 ダボス会議2日目の1月24日、SWFに関するセッションには、会議出席者や大勢の報道陣が早くから列を成して詰め掛けた。SWFは米国などで物議を醸す存在となっている。こうした政府系ファンドは既に巨額の資金を持っているだけでなく、原油高や米国の巨額貿易赤字のおかげで、急成長を続けているからだ。

 米リーマン・ブラザーズ(LEH)会長兼CEO(最高経営責任者)のリチャード・ファルド氏は、「SWFの運用資産総額は現在3兆ドル規模で、それが今後5年内に20兆ドルに膨らむ可能性がある」と述べ、年金基金の運用資産総額はおよそ60兆ドルに上るとはいえ、「(SWFの急成長の)インパクトは極めて大きなものになる」と語った。

 これらのSWFが米シティグループ(C)や米モルガン・スタンレー(MS)、米メリルリンチ(MER)、スイスのUBS(UBS)といった優良金融機関に大規模な出資を行ったこと(BusinessWeek.comの記事参照:2007年12月7日「Sovereign Wealth Funds to the Rescue?」)について、今のところ欧米の政治家の間から異議を唱える声は上がっていない。

 だが、ファンドがさらに巨大化し、野心を高めるに従い、緊張が高まっていくことは十分考えられる。

 自国の優良資産を外国資本が買い漁ることに、欧米諸国は慣れていない。こうしたファンドの急成長がもたらす最大の危険は、彼らが米国などの戦略資産を手に入れることではなく、むしろ、それが保護主義的な機運を高める引き金となり、国際金融システムを滞らせるかもしれないことだ。

「脅威論に根拠なし」

 ダボス会議のパネル討論で、SWFに関して深刻な懸念を表明したのは、元米財務長官のローレンス・サマーズ氏1人だった。

 米ハーバード大学学長も務めた同氏は、「ここ数カ月、これらのファンドが欧米の傷んだ銀行に出資したことで、世界は救われた」と述べ、SWFの一定の功績を認めつつも、これらのファンドが各国政府の政治力拡大に利用されたり、投資先の国や企業の判断を歪めたりするような事態が懸念されると指摘した。

 SWFを代表するスピーカーは、ダボスの大物たちから批判されることはなかったものの、神経質になっている様子だった。例えば、最近メリルリンチとシティに出資した(BusinessWeekチャンネルの記事参照:2008年1月22日「ああ恐ろしや、オイルマネー」)クウェート投資庁のバデル・アル・サアド長官は、「SWFを巡る脅威論には、全く何の根拠もない」と強調した。

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