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IBMの21世紀型人材活用戦略

世界6大陸をまたにかけ人材と知恵を流動させる

2008年1月30日(水)

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Steve Hamm (BusinessWeek誌シニアライター)
Joshua Schneyer(特別特派員、オルトランディア)

米国時間2008年1月17日更新 「International Isn't Just IBM's First Name

 ブラジルのオルトランディアにある米IBMの広大なサービス・デリバリー・センター――。ロゲリオ・オリベイラ氏はその中を歩いて、「時代は変わった」としみじみ実感する。かつてメインフレームと呼ばれる大型汎用コンピューターの工場だった場所では現在、何百人ものブラジル人従業員が以前とは違う生産ラインで働いている。

 今、ここで生産されているのは“情報”だ。鉄骨のトラス梁が剥き出しの高い天井の下に広がるサッカー場ほどの空間に、仕切られた作業場がずらりと並ぶ。数年前まで、ここはブラジル国内の顧客向けの工場だった。今では、顧客はカナダ、メキシコ、南アフリカ共和国、米国などの40カ国に広がっている。ソフトウエアプログラミングから財務会計まであらゆるサービスを提供しているのだ。

 オリベイラ氏は35歳のベテラン社員で、IBMの中南米担当統括マネジャーを務めている。同社が“グローバルに統合された企業”へと変容していく試みの中心になって働いている。この新しい世界構想は2年前から練られていたが、オリベイラ氏のようなマネジャーらによってこの構想が実現し、真価を発揮し始めたのはつい最近のことだ。

20世紀に目指した“多国籍企業”とは違う

 前世紀に目指した“多国籍企業”とは違う。当時、IBMの子会社は160カ国に散らばり、それぞれが“ミニチュア版IBM”として現地の顧客を相手に独立して活動していた。しかし、このようなミニチュア版を作るのには大きなコストがかかる。そこで方針を改め、顧客がどこであれ、最良の結果を出せる場所からサービスを提供することにした。根底には、最適な人材を適正価格で手に入れるという考え方があった。

 この方針により、IBMの経営は大きく様変わりした。過去3年でブラジル、中国、インドなどの低コスト国で約9万人を雇用した。これらの従業員が「グローバル・サービス・デリバリー・センター」で、あらゆる顧客向けサービスを提供している。提供内容はソフトウエアプログラミングのほか、データセンター運用、ヘルプデスクコールセンター、財務会計、給付金管理にまで多岐にわたる。

 当初、移転の最大の魅力は労働力の安さだった。インドなら、賃金は米国より7~8割低い。しかし最近では、インドや中国などの新興国で眠っている豊かな才能を発掘し、新しいアイデアを取り入れることも重要になってきた。

 グローバルサービスの従業員の多くは、現地の上司だけでなく何千キロも離れたところにいるマネジャーにも報告を行う。オリベイラ氏のように国や地域を統括するマネジャーにかかる重圧は相当なものだ。

 オリベイラ氏は2007年後半に昇進する前、ブラジル担当マネジャーだった頃の仕事についてこう語る。「四半期ごとの締め日が一番辛かった。一方ではブラジルでの売り上げ実績を評価され、他方ではグローバルサービスの従業員6000人を抱えて、全く違う指標で評価される。頭が爆発しそうだったよ」。

 一筋縄ではいかない課題だが、IBMは本気だ。「グローバル化とは何か――。以前は机上の理論にすぎなかった新しいアイデアをIBMは実現しようとしている」と、ハーバード・ビジネス・スクールのロザベス・モス・カンター教授は言う。その結果は明らかに実を結びつつある。努力の焦点とも言えるグローバルサービス部門は500億ドルの実績を上げ、売り上げの約半分を占めている。2007年第3四半期にはグローバルサービスの収入が14%増の137億ドルに上り、税引き前の利益率は3年前の8.2%から10.7%を上回るまでになっている。

6大陸、37万5000人をどう生かしきるか?

 とはいえ、6大陸にまたがって従業員37万5000人を抱えるIBMがグローバル企業として軌道に乗るには、まだまだ課題が山積している。サミュエル・J・パルミサーノ会長兼CEO(最高経営責任者)は言う。「人員をどこに配置するか。どうやって確保しておくか。どう育てるか。どの仕事を誰にどう割り当てるか。そういったことが大きな課題だ」。

 パルミサーノ氏の取り組みは約3年前にさかのぼる。2003年にトップの座に就いて以来、上位機種のコンピューター、チップ、ソフトウエアの技術革新のほか、新興市場への急速な進出、事務処理部門の情報処理といったサービスの拡大に力を入れてきた。

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